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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

肝腎ミクロゾーム(LKM)-1抗体

著者: 佐伯千里1 銭谷幹男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科

ページ範囲:P.464 - P.465

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 抗肝腎ミクロゾーム抗体(anti-liver kidney microsome antibody:抗LKM抗体)は1973年,Rizzettoらにより慢性活動性肝炎患者血清中で初めて発見された,腎臓の近位尿細管と肝細胞の細胞質に対する自己抗体である.抗LKM抗体は間接蛍光抗体法による染色パターンから,3種類(LKM-1, 2, 3)に分類される.現在まで報告されている対応抗原は,抗LKM-1抗体ではcytochrome P450ⅡD6(CYP2D6),抗LKM-2抗体ではcytochrome P450ⅡC9(CYP2C9),抗LKM-3抗体ではuridine diphosphate glucuronosyltransferase(UGT)である.疾患との関連では抗LKM-1抗体はⅡ型自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)に,抗LKM-2抗体は強い利尿作用を有する降圧薬であるtienilic acidによる肝障害に,抗LKM-3抗体はD型肝炎患者の10%程度の血清中にそれぞれ認められる.以下,本稿では臨床的に測定意義の高い抗LKM-1抗体に関して述べる.

参考文献

1)Krawitt EL:Autoimmune hepatitis. N Engl J Med 354:54-66, 2006
2)Bogdanos DP, et al:Autoantibodies and their antigens in autoimmune hepatitis. Semin Liver Dis 29:241-253, 2009
3)Mileli-Vergani G, et al:Autoimmune hepatitis. J Pediatr Gastroenterol Nutr 49:158-164, 2009
4)穂苅厚史,銭谷幹男:HCV関連マ-カ-陽性自己免疫性肝炎の臨床像および免疫遺伝学的背景.日臨62:658-662, 2004
5)竹村真理,大矢和彦:MESACUP LKM-1テストの基礎的検討.医と薬学46:109-114, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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