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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗胃壁細胞抗体,抗内因子抗体

著者: 今福裕司1

所属機関: 1福島県立医科大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.468 - P.469

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 胃壁細胞(parietal cell)は胃底部,胃体部にある主要な細胞の一つで,最大多数を占める主細胞〔ペプシノーゲン(pepsinogen)を産生〕に次いで多い細胞であり,刺激因子(ガストリン,ヒスタミン,アセチルコリン)による刺激を受けてプロトンポンプ(proton pump, H, K-ATPase)の作用により胃内腔への酸(H)分泌を担っている.

 抗胃壁細胞抗体(parietal cell antibody:PCA)は,この胃壁細胞に対する自己抗体であり,悪性貧血(pernicious anemia)と慢性萎縮性胃炎に出現する自己抗体として報告された.主たる対応抗原は,プロトンポンプ(αおよびβサブユニット,主としてβサブユニット)であり,抗プロトンポンプ抗体とも呼びうる(図1).血清中ではIgG型(分子量約150kD,血中半減期20日),胃液中で検出されるのはIgA型(分泌型として分子量約400kD)で形質細胞から産生される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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