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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗リン脂質抗体

著者: 松田重三1

所属機関: 1帝京短期大学ライフケア学科

ページ範囲:P.470 - P.471

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 抗リン脂質抗体(antiphospholipid antibody:aPL)は,生体の細胞・組織成分のカルジオリピンやフォスファチジルセリンなどのリン脂質に対する自己抗体である.しかし,近年,必ずしもリン脂質とは関連のない血漿蛋白などの生体成分に対する抗体も少なからず同定されており,aPLの呼称が適切かの問題も残る.

 aPLは従来,梅毒感染症の診断(serological test for syphilis:STS)に使用される抗カルジオリピン抗体として知られていたが,STSで検出される抗体は,血栓症の原因とはならないこと,血栓症の誘因となるaPLは,カルジオリピンとアポリポ蛋白の一種であるβ2-glycoprotein I(β2-GPI)との複合体,あるいはβ2-GPIそのものに対する抗体であると判明した.したがって,aPLとは,広義にはSTSで検出される抗カルジオリピン抗体を含めるが,狭義には血栓症を惹起する原因となるβ2-GPIに対する抗体(抗β2-GPI抗体)であり,以下,狭義のaPLを中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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