文献詳細
特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査 自己免疫関連検査
文献概要
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
抗神経抗体は傍腫瘍症候群にみられ,腫瘍と神経組織を共通に認識する特異的な自己抗体である.しばしば抗体の種類と神経症候および腫瘍原発巣の間に一定の傾向がある.したがって,抗体の検出は傍腫瘍症候群の診断に大きく寄与するとともに,腫瘍の早期発見のマーカーとしても有用である.
抗神経抗体が産生される機序は明らかではないが,抗体が認識する神経蛋白が分布している中枢神経系は免疫系からは隔絶されているため,神経蛋白が免疫系に認識されることはない.神経蛋白が神経系外の癌組織に発現されると,抗腫瘍免疫を担う免疫担当細胞によって非自己として認識され,抗体が産生されると考えられている.
抗神経抗体は傍腫瘍症候群にみられ,腫瘍と神経組織を共通に認識する特異的な自己抗体である.しばしば抗体の種類と神経症候および腫瘍原発巣の間に一定の傾向がある.したがって,抗体の検出は傍腫瘍症候群の診断に大きく寄与するとともに,腫瘍の早期発見のマーカーとしても有用である.
抗神経抗体が産生される機序は明らかではないが,抗体が認識する神経蛋白が分布している中枢神経系は免疫系からは隔絶されているため,神経蛋白が免疫系に認識されることはない.神経蛋白が神経系外の癌組織に発現されると,抗腫瘍免疫を担う免疫担当細胞によって非自己として認識され,抗体が産生されると考えられている.
参考文献
1)Graus F, et al:Recommended diagnostic criteria for paraneoplastic neurological syndromes. J Neural Neurosurg Psychiatr 75:1135-1140, 2004
2)佐治越爾,他:傍腫瘍性神経症候群の診断と治療.Brain and Nerve 62:319-330, 2010
3)三富睦美,他:抗神経抗体.medicina 42(増刊号):463-468, 2005
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