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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻12号

2010年11月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病診療Update―いま何が変わりつつあるのか 1型糖尿病の基礎知識

解明が進む1型糖尿病の病態

著者: 川﨑英二1

所属機関: 1長崎大学病院生活習慣病予防診療部

ページ範囲:P.1883 - P.1887

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ポイント

★1型糖尿病が発症するまでには,数カ月~数年にわたる前糖尿病期が存在し,膵島β細胞の進行性破壊の結果,β細胞量が約20~30%まで減少すると顕性化する.

★1型糖尿病の発症には遺伝素因と環境因子が関連し,膵島β細胞自己抗原に対する「自己反応性T細胞」の活性化により膵島炎が形成される.膵島β細胞破壊には,それを抑制する制御性T細胞の数や機能も密接に関連している.

★本邦における1型糖尿病は,臨床的に,「劇症型」「急性型」「緩徐進行型」の3つのタイプが存在する.

★緩徐進行型では,GAD抗体のみならず,ほかの膵島関連自己抗体を測定することが進行を予測する上で重要である.

参考文献

1)Thompson C, Powrie F:Regulatory T cells. Curr Opin Pharmacol 4:408-414, 2004
2)Kawasaki E, et al:Type 1 diabetes in Japan. Diabetologia 49:828-836, 2006
3)Kawabata Y, et al:Differential association of HLA with three subtypes of type 1 diabetes;Fulminant, slowly progressive and acute-onset. Diabetologia 52:2513-2521, 2009
4)Kawasaki E, et al:Autoantibodies to insulin, insulinoma-associated antigen-2, and zinc transporter 8 improve the prediction of early insulin requirement in adult-onset autoimmune diabetes. J Clin Endocrinol Metab 95:707-713, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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