medicina47巻12号

2010年11月発行

今月の主題 糖尿病診療Update―いま何が変わりつつあるのか 急性合併症の診かた

糖尿病性ケトアシドーシス・高浸透圧性昏睡

著者： 長澤薫¹ 森保道¹

所属機関： ¹国家公務員共済組合連合会虎の門病院内分泌代謝科

ページ範囲：P.1914 - P.1917

ポイント

★高血糖による急性合併症は糖尿病性ケトアシドーシス（DKA）と高浸透圧性昏睡（HHNC）がある．

★どちらもインスリン欠乏に，感染，手術，外傷，薬剤などのストレスが加わり発症し，意識障害をきたしうる．

★診断はDKAでは高血糖，ケトーシス，アシドーシスを，HHNCは高血糖，高浸透圧血症を証明する．

★治療は生理食塩水を中心とした十分な補液，インスリン療法，電解質の補正である．

参考文献

1）Abbas E, et al：Hyperglycemic crises in adult patients with diabetes；A consensus statement from the American Diabetes Association. Diabetes Care 29：2739-2748, 2006

2）American Diabetes Association：Hyperglycemic crises in diabetes. Diabetes Care 27（Suppl 1）：S94-102, 2004

3）日本糖尿病学会（編）：糖尿病専門医研修ガイドブック，改訂第4版，診断と治療社，2009