文献詳細
文献概要
今月の主題 アレルギー疾患を疑ったら,こう診る! Column
ハチアレルギー
著者: 森本佳和1
所属機関: 1医療法人和光会山田メディカルクリニック
ページ範囲:P.234 - P.235
文献購入ページに移動 アナフィラキシーの原因の1つにハチアレルギーがあり,日本では年間約20~40名がハチ刺傷によって死亡している.ハチアレルギーは,ハチ毒抗原とそれに特異的なIgE抗体によるI型アレルギー反応であり,ハチ毒抗原にはホスホリパーゼ,ヒアルロニダーゼなどが含まれる.日本で主に問題となるのは,スズメバチ,アシナガバチ,ミツバチである.林業・農業・建設業などに従事する患者ではハチ刺傷を繰り返す危険性も高く,ハチアレルギーの適切な治療が求められる.
急性期の治療は,重症度に応じて行う.全身症状を呈する場合には,気道確保を優先とした救急処置を行う.この際,アドレナリン投与のタイミングを逃さない.また,必要に応じて抗ヒスタミン薬・ステロイド薬・気管支拡張薬などの投与を行う.刺傷部位の処置としては,毒針を抜去,水や氷で冷却し,四肢の刺傷ではその中心に近い部位で駆血帯を巻く.局所症状には抗ヒスタミン薬を用いる.
急性期の治療は,重症度に応じて行う.全身症状を呈する場合には,気道確保を優先とした救急処置を行う.この際,アドレナリン投与のタイミングを逃さない.また,必要に応じて抗ヒスタミン薬・ステロイド薬・気管支拡張薬などの投与を行う.刺傷部位の処置としては,毒針を抜去,水や氷で冷却し,四肢の刺傷ではその中心に近い部位で駆血帯を巻く.局所症状には抗ヒスタミン薬を用いる.
参考文献
1) Graft DF : Insect sting allergy. Med Clin North Am 90 : 211-232, 2006
2) Golden DBK, et al : Epidemiology of insect venom sensitivity. JAMA 262 : 240-244, 1989
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