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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻2号

2010年02月発行

文献概要

今月の主題 アレルギー疾患を疑ったら,こう診る! Column

妊婦の喘息治療薬について

著者: 森本佳和1

所属機関: 1医療法人和光会山田メディカルクリニック

ページ範囲:P.266 - P.267

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 表2に妊娠中の喘息患者に安全に使用できると考えられている薬剤を示した1).また,参考のため,FDA妊婦カテゴリーによる妊婦への代表的な喘息治療薬剤投与のリスクも示した(表3)。喘息治療薬の多くは催奇性についてはほとんど問題ないとされる.特に吸入薬の安全性は一般的に高く,まずは吸入薬を使用し,必要に応じて経口薬の追加を考えるとよいであろう.薬剤の副作用を恐れて使用せずに,喘息をコントロール不良とする弊害のほうが大きい.全米喘息教育および予防プログラム(National Asthma Education and Prevention Program:NAEPP)においても,妊娠中の喘息コントロールの重要性が強調されている2).喘息の長期管理で要となる吸入ステロイド薬は一般的に安全性が高い.米国のFDA分類ではブデソニドが安全性の高いカテゴリーBに分類されており,ほかの吸入剤はFDA分類でカテゴリーCとなっているが,妊婦において客観的に催奇性が示された吸入ステロイド薬はない.また,アレルギー性鼻炎が合併する場合にはその治療も行うことで喘息のコントロールを良好にできる可能性がある.NAEPPにおいても,アレルギー性鼻炎が合併する妊婦には鼻噴霧式ステロイド薬の使用が勧められている.

参考文献

1)日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会(監修):喘息予防・管理ガイドライン2009,協和企画,2009
2)Working group report on managing asthma during pregnancy : Recommendatinos for pharmacologic treatment-update 2004. National Asthma Education and Prevention Program, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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