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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻5号

2010年05月発行

文献概要

今月の主題 ワンランク上の内科エマージェンシー―もうだまされない! 非典型例から最新知識まで 診断のためのカギ

肺塞栓ってDダイマーさえ測定しておけばいいんでしょ?―猫も杓子もDダイマーではダメ

著者: 有嶋拓郎1

所属機関: 1富山大学大学院医学部地域医療支援学講座

ページ範囲:P.784 - P.787

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ポイント

★患者のリスク分類をして低リスク群でDダイマーが陰性なら肺梗塞を否定できる.高リスク群なら造影CTで診断をつける.

★血液ガス検査ではPaO2が酸素投与に反応していて正常化していることがあるが,AaDO2は初期から開大してくる.SpO2が低下してくるのは非常に重篤な状態に陥ってからと考える.

★現病歴で循環虚脱の症状(10%くらい)があれば集中治療が必要なことが多いので聞き洩らさない.

★頻脈と頻呼吸は肺梗塞でも一般的にみられる所見であるが,下肢の観察を加えることで診断の絞り込みをするように心がける.

参考文献

1)Wells PS, et al:Derivation of a simple clinical model to categorize patients probability of pulmonary embolism;Increasing the models utility with SimpliRED D-dimer. Thromb Haemost 83:416-420, 2000
2)Le Gal G, et al:Prediction of pulmonary embolism in the emergency department;The Revised Geneva Score. Ann Intern Med 144:165-171, 2006
3)安藤太三・他:肺血栓症および深部静脈血栓症の診断・治療・予防に関するガイドライン(ダイジェスト版). Circ J 68:1135-1152,2004
4)田中幸子・他:下肢深部静脈血栓症の標準的超音波診断法.Jpn J Med Ultrasonics 35:35-39, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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