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今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた 種々の臨床現場における電解質異常を知っておこう
循環器内科からみる電解質異常とその対応
著者: 永井利幸1 香坂俊1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部循環器内科
ページ範囲:P.1015 - P.1020
文献購入ページに移動★心臓はイオンチャネルの活動でスイッチが入る臓器であり,電解質異常はその電気的活動に多大な影響を及ぼす.
★特にNa,K,Ca,Mgの振舞いは重要であり,これらの電解質異常は各種不整脈の発生に密接に関連している.
①例えば,心不全患者の加療ではしばしば低Na血症が認められ,水バランスの管理に関して重要な指標となる.
②さらに,近年心不全の診療で頻用されるレニン-アンギオテンシン-アルドステロン抑制薬や利尿薬も電解質に影響を及ぼす重要な薬剤であり,特に高K血症は予後に対して重大な影響を及ぼしていると考えられている.
③また,還流低下による多臓器不全をきたしているような重症例では,酸塩基平衡障害の合併が多く,特に背景に隠れた混合性酸塩基平衡障害が見逃されやすい.
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