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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻6号

2010年06月発行

今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた

処方で多くみられる電解質異常―症例検討とshort review

薬剤による低ナトリウム血症(SIADH)

著者: 大澤勲1 富野康日己1

所属機関: 1順天堂大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.1048 - P.1050

文献概要

症例検討

症例 59歳,男性.

現病歴 生来健康であった.3カ月前の単身赴任を契機に,“ふさぎこみがち”となり,会社への無断欠勤が続いた.メンタルクリニックを受診したところ,「うつ状態」と診断され,パロキセチン(パキシル®)20mg/日の内服治療が開始され,2週間後には30mg/日に増量された.一時的に症状は回復したが,内服開始2週目頃から,徐々に全身倦怠感と食欲低下が出現し,増悪した.4週目の再診時に低ナトリウム(Na)血症129mmol/lを指摘され,精査・加療の目的で入院した.

診察所見 意識清明.神経学的所見に異常を認めない.血圧132/72mmHg,脈拍72回/分・整,口腔内・皮膚の乾燥なし.皮膚ツルゴールの低下は認めない.胸腹部に異常なし.下肢浮腫は認めない.入院時の検査結果を表1に示す.

参考文献

1)今井裕一:酸塩基平衡,水・電解質が好きになる,羊土社,2007
2)Fox BD:Crash diet potomania. Lancet 359:942, 2002
3)Fabian TJ, et al:Paroxetine-induced hyponatremia in older adults;A 12-week prospective study. Arch Intern Med 164:327-332, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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