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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻6号

2010年06月発行

今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた

処方で多くみられる電解質異常―症例検討とshort review

輸液・経腸栄養による酸塩基異常

著者: 花村菊乃1 花房規男2

所属機関: 1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科 2東京大学医学部附属病院血液浄化療法部

ページ範囲:P.1056 - P.1059

文献概要

症例検討

症例 72歳,男性.

現病歴 血液透析導入後1カ月の患者で,解離性大動脈瘤破裂に対する手術が行われた.術後,意識障害の遷延による経口摂取不能に対し,リーナレン®,K-4S®による経腸栄養が開始された.誤嚥性肺炎による中断を経て経腸栄養を再開,胃瘻を造設した.誤嚥予防のため,K-4S®を半固型製剤メディエフ®プッシュケアに変更したところ,同時期より高カリウム血症(K 6.2~6.5mEq/l)と代謝性アルカローシス(pH7.60,HCO3- 36.8mEq/l)の進行を認めた.透析導入時およびアルカローシス発症時(半固型製剤開始9日目)の所見を表1に示す.

参考文献

1)花村菊乃,他:半固型経腸栄養剤の投与により高度の代謝性アルカローシスと高カリウム血症を呈した維持血液透析患者の1例.日透析医会誌43:215-219, 2010
2)Roy S III, Arant BS Jr:Alkalosis from chloride-deficient Neo-Mull-Soy. N Engl J Med 301:615, 1979
3)Miyahara J, et al:Dietary chloride deficiency due to new liquid nutritional products. Pediatr Int 51:197-200, 2009
4)三宅知宏,杉浦伸一:静脈・経腸栄養療法―病態(肝,腎障害)時における栄養療法.日病薬師会誌40:817-822, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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