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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻6号

2010年06月発行

文献概要

今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた 処方で多くみられる電解質異常―症例検討とshort review

大腸内視鏡前処置による急性高リン腎症

著者: 大石大輔1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科

ページ範囲:P.1064 - P.1067

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症例検討

症例 65歳,男性.

現病歴 約14年前に発症し,腎生検にて診断が確定しているIgA腎症の患者.外来通院していたが,徐々に腎機能障害の増悪を認め,入院1カ月前には血清クレアチニン(Cr)値は5.14mg/dlまで上昇.前日より嘔気,嘔吐を認め,症状が改善しないため当院を受診し,即日入院となった.推算GFR 10ml/min/1.73m2以下であり,腎代替療法の情報提供を行うと同時に合併症精査を行っていった.入院第8病日,大腸内視鏡施行のため,経口リン酸ナトリウム緩下薬を内服したところ,第9病日に血清リン(P)の急激な上昇(5.6→12.1mg/dl)と同時に,血清Crの上昇(5.75→6.80mg/dl)を認めた.

参考文献

1)Tan JJ, Tjandra JJ:Which is the optimal bowel preparation for colonoscopy;A meta-analysis. Colorectal Dis 8:247-258, 2006
2)Lien YHH:Is bowel preparation before colonoscopy a risky business for the kidney? Nat Clin Pract Nephrol 4:606-614, 2009
3)Markowitz GS, Perazella MA:Acute phosphate nephropathy. Kidney Int 76:1027-1034, 2009
4)Hus HJ, Wu MS:Extreme hyperphosphatemia and hypocalcemic coma associated with phosphate enema. Intern Med 47:643-646, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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