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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻7号

2010年07月発行

文献概要

今月の主題 高血圧診療―わかっていること・わからないこと 観察研究と介入試験からの最新のエビデンスとその限界

論文解釈のピットフォール:臨床研究論文を正しく読もう

著者: 植田真一郎1

所属機関: 1琉球大学大学院医学系研究科臨床薬理学

ページ範囲:P.1134 - P.1138

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ポイント

★ランダム化臨床試験の意義は選択バイアスのかからない集団を設定し,交絡因子をできる限り排除して,治療介入とアウトカムの因果関係を証明することにある.

★最近の臨床試験は複合エンドポイントが多く,その実際の内容が自分の臨床的疑問と適合するかどうかよく吟味すべきである.

★オープン試験が必ずしも二重盲検に劣るわけではないが,客観性,重篤度の低いエンドポイントは評価できない.

★「高血圧患者」といってもその患者の背景やリスクは試験によってかなり差異があり,臨床試験の結果を必ずしも目の前の患者に適用できないことも多い.

★サブグループ解析の本来目的はさまざまな背景をもつ患者における治療効果の一貫性の証明.

★サブグループ解析だけで何らかの「有意な」結果がでても,まだそれは仮説の創出の段階であり,証明されているとはいえない.

★ランダム化比較試験の結果は,信頼性(内的妥当性)は高いが,外的妥当性を獲得するためにはより広い範囲の患者を対象とした観察研究も必要である.

参考文献

1)The West of Scotland Coronary Prevention Study Group. Prevention of coronary heart disease with pravastatin in men with hypercholesterolemia. N Engl J Med 333:1301-1307, 1995
2)MEGA Study Group. Primary prevention of cardiovascular disease with pravastatin in Japan(MEGA Study):a prospective randomized controlled trial. Lancet 368:1155-1163, 2006
3)Ferreira-González I, et al:Problems with use of composite end points in cardiovascular trials:systematic review of randomised controlled trials. BMJ 334 786-792, 2007
4)Wood L, et al:Empirical evidence of bias in treatment effect estimates in controlled trials with different interventions and outcomes:meta-epidemiological study. BMJ 336:601-605, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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