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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻7号

2010年07月発行

文献概要

今月の主題 高血圧診療―わかっていること・わからないこと 降圧薬について本当のところを知り,使い方を理解しよう

サイアザイド系利尿薬は副作用の多い降圧薬か?

著者: 植田真一郎1

所属機関: 1琉球大学大学院医学研究科臨床薬理学

ページ範囲:P.1217 - P.1220

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ポイント

★低用量を厳守し,RAS抑制薬との併用を行い,カリウム,ナトリウム,尿酸にある程度の注意を払えば利尿薬は安全で有効な降圧薬である.なかなか降圧ができない患者に,代謝系の軽微な副作用を危惧するあまりに使用しないのは賢明ではない.

★カリウム低下には利尿薬減量,RAS抑制薬併用,塩分制限,二次性高血圧のスクリーニングが必須.

★尿酸上昇には利尿薬減量,生活指導,ロサルタンへの変更を考慮する.

★血糖値上昇をみても全責任を利尿薬に押し付けない.カリウムは下がっていれば補正する.

★高齢者,多剤併用(特に抗うつ薬,向精神薬,抗てんかん薬)小柄な女性では低ナトリウム血症に注意.特に薬剤開始直後.

★利尿薬によるクレアチニンの軽度の上昇は糸球体内圧の低下と考え,経過をみる.進行性の腎機能低下はまず起こらない.

参考文献

1)植田真一郎:一般診療における降圧利尿薬の有効性:エビデンスの検証.日内会誌93:780-786, 2004
2)Carlsen JE, et al:Relation between dose of bendrofluazide, antihypertensive effect, and adverse biochemical effects. BMJ 300:975-978, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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