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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻7号

2010年07月発行

文献概要

連載 アレルギー膠原病科×呼吸器内科合同カンファレンス・4

結節性紅斑とTNF阻害薬は偶然か?

著者: 岡田正人1 仁多寅彦2

所属機関: 1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児) 2聖路加国際病院呼吸器内科

ページ範囲:P.1312 - P.1315

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後期研修医 今回は複雑な症例なので,経過をまず提示させていただきます.患者さんは60歳の女性で,2年2カ月前から手指の関節炎を自覚し,2年前に近医整形外科からアレルギー膠原病科外来に紹介されています.典型的な分布の対称性多関節炎がPIP(proximal interphalangeal joint;近位指節間関節),MCP(metacarpophalangeal joint;中手指節関節),MTP(metatarsophalangeal joint;中足指節関節)に認められ,リウマトイド因子陽性,抗CCP抗体強陽性などもあり,関節リウマチの診断にて治療を開始されました.サラゾスルファピリジン,メトトレキサートに加えて1年6カ月前からTNF阻害薬を開始され関節リウマチは寛解状態でした.1年3カ月前に結節性紅斑(図1)を発症し皮膚科に入院なさいましたが,安静のみで軽快し10日間で退院しておられます.結核などの感染症は否定的で,薬物も特に新規に開始したものはありませんでした.

呼吸器内科医 TNF阻害薬投与中の患者さんですので,慎重に結核を除外する必要がありますが,どのような検査がされていますか.

参考文献

1)Requena L, et al:Erythema nodosum. Dermatol Clin 26:425-438, 2008
2)Baecklund E, et al:Association of chronic inflammation, not its treatment, with increased lymphoma risk in rheumatoid arthritis. Arthritis Rheum 54:692-701,2006
3)日本リウマチ学会:関節リウマチ(RA)に対するTNF阻害療法施行ガイドライン改訂版,2008(http://www.ryumachi-jp.com/info/guideline.pdf)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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