文献詳細
文献概要
今月の主題 呼吸不全の診療 呼吸不全を招く疾患
特発性間質性肺炎
著者: 小倉高志1
所属機関: 1神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器科
ページ範囲:P.1416 - P.1419
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★特発性間質性肺炎(IIPs)のうち,頻度の高い特発性肺線維症(IPF)は中間生存期間が平均3年,5年生存率は20~40%と予後は不良である.
★わが国でのIIPsの有病率は,10万人あたり11.8人と推定されているがCT検診の調査では無症状の潜在患者が多いことが予想されている.
★IPFは自然経過として進行性に徐々に悪化していくことが多く,肺活量の低下を抑制する抗線維化薬ピルフェニドンの適応を検討すべきである.
★IIPsでは進行期になるまで,換気不全を意味するPaCO2の上昇を認めるⅡ型呼吸不全は呈さない.
★IPFの合併症としては,原病の急性増悪,肺高血圧,肺癌,気胸がある.予後不良の病態である急性増悪の予防と治療は重要である.
★特発性間質性肺炎(IIPs)のうち,頻度の高い特発性肺線維症(IPF)は中間生存期間が平均3年,5年生存率は20~40%と予後は不良である.
★わが国でのIIPsの有病率は,10万人あたり11.8人と推定されているがCT検診の調査では無症状の潜在患者が多いことが予想されている.
★IPFは自然経過として進行性に徐々に悪化していくことが多く,肺活量の低下を抑制する抗線維化薬ピルフェニドンの適応を検討すべきである.
★IIPsでは進行期になるまで,換気不全を意味するPaCO2の上昇を認めるⅡ型呼吸不全は呈さない.
★IPFの合併症としては,原病の急性増悪,肺高血圧,肺癌,気胸がある.予後不良の病態である急性増悪の予防と治療は重要である.
参考文献
1)千葉博文,高橋弘毅・他:北海道における臨床調査個人票に基づく特発性間質性肺炎の疫学調査.厚生労働省びまん性肺疾患に関する調査研究班平成20年度研究報告書.pp 39-46, 2009
2)日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会:特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き.南江堂,2004
3)吉澤靖之:慢性過敏性肺炎と特発性肺線維症の類似性.アレルギー 57:95-101, 2008
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