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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻8号

2010年08月発行

文献概要

今月の主題 呼吸不全の診療 呼吸不全を招く疾患

COPD:慢性閉塞性肺疾患

著者: 福家聡1 西村正治2

所属機関: 1KKR札幌医療センター呼吸器科 2北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野

ページ範囲:P.1424 - P.1427

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ポイント

★COPD患者は,呼吸機能検査で正常に復することのない気流閉塞を示す.

★末梢気道病変と肺気腫病変がさまざまな割合で複合的に作用することによって生じ,かつ進行性の経過をたどる.

★COPDは体動時の呼吸困難や慢性的な喀痰,咳嗽を特徴とする疾患である.

★日本人の40歳以上の8.6%(約530万人)がCOPDに罹患していると報告されている.

★治療法は病期の進行度だけではなく,症状の程度を加味し総合的に判断したうえで選択する.

★呼吸不全症例では酸素療法が第一選択である.著明な高二酸化炭素血症を呈する症例では,NPPVが有用な場合もある.

参考文献

1)日本呼吸器学会COPDガイドライン作成委員会(編):COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第3版―日本呼吸器学会COPDガイドライン,メディカルレビュー社,2009
2)Fukuchi Y, et al:COPD in Japan:the Nippon COPD Epidemiology study. Respirology 9:458-465, 2004
3)古賀丈晴・他:肺機能検査実施の動機が異なる3集団を対象とした潜在的COPDの疫学調査 人間ドック,プライマリケア,術前評価での比較.呼吸25:801-806,2006
4)Minakata Y, et al:Prevalence of COPD in primary care clinics;Correlation with non-respiratory diseases. Intern Med 47:77-82, 2008
5)West JB:Pulmonary Pathophysiology. The Essentials, 7th ed, Lippincott Williams, pp 52-68, Baltimore, 2005
6)Fujimoto K, et al:Clinical analysis of chronic obstructive pulmonary disease phenotypes classified using high-resolution computed tomography. Respirology 11:731-740, 2006
7)厚生省特定疾患呼吸不全調査研究班:在宅酸素療法実施症例(全国)の調査結果について.平成3年度研究報告書,pp 11-17, 1992
8)伊志嶺篤・他:動脈血酸素分圧60Torr以上の慢性閉塞性肺疾患患者における運動時酸素吸入の効果.日胸疾会誌33:510-519, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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