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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻8号

2010年08月発行

文献概要

今月の主題 呼吸不全の診療 呼吸不全を招く疾患

肺結核―後遺症を含めて

著者: 川﨑剛1 佐々木結花2 巽浩一郎1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学 2独立行政法人国立病院機構千葉東病院呼吸器科

ページ範囲:P.1428 - P.1431

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ポイント

★広範な活動性または陳旧性の肺結核病変が呼吸不全の主な原因である.

★肺結核後遺症とは,結核治癒後に呼吸機能および肺循環障害を呈した状態である.

★肺結核後遺症では,拘束性障害が主であるが閉塞性障害を合併しⅡ型呼吸不全に至りやすい.

★肺結核後遺症では,睡眠時の著しい低酸素血症や肺高血圧の合併に注意が必要である.

★肺結核後遺症に伴う呼吸不全に対しては,薬物療法,酸素療法,理学療法などによる包括的治療が重要である.

参考文献

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11)鈴木恒雄・他:人工呼吸管理を要した活動性肺結核症例の検討.日呼管誌8:146-150, 1998
12)川上義和:肺結核後遺症による呼吸不全.結核72:519-522, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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