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文献詳細

雑誌文献

medicina48巻11号

2011年11月発行

文献概要

特集 内科 疾患インストラクションガイド―何をどう説明するか 循環器疾患

安定狭心症

著者: 渡邊雄介1 浅野竜太1 住吉徹哉1

所属機関: 1榊原記念病院循環器内科

ページ範囲:P.48 - P.52

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どのような病気なのでしょうか

▲安定狭心症とは,心臓の筋肉(心筋)を栄養している冠動脈という血管が狭くなることにより,心筋が必要とする酸素量に見合った供給ができなくなり(これを心筋虚血という),その結果,胸の痛みや圧迫感,締め付け感などの発作を起こす病気です.

▲急いで歩いたり,階段の昇りや重いものを持ったとき,あるいは精神的な興奮などで心拍数や血圧が上昇し,心筋の酸素必要量が増加することが誘因となります.通常持続時間は長くなく,安静にすることで数分で症状が改善します.

▲冠動脈が狭くなる原因は,高血圧,糖尿病,高脂血症などにより進行した動脈硬化です.血管のけいれんが原因のこともあります.

▲胸の症状が今まで全くなく,ここ1~2カ月以内に始まった場合や,今までよりも軽い動作でも,あるいは安静にしているときにも症状が出る場合は,不安定狭心症の可能性があります.症状が持続する場合は急性心筋梗塞が疑われ,緊急の対応が必要です.

参考文献

1)Campeau L:Grading of angina pectoris. Circulation 54:522(letter), 1975
2)山科 章:冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン.Circ J 73:1020-1068, 2009
3)Boden WE, et al;the COURAGE Trial Research Group:Optimal medical therapy with or without PCI for stable coronary disease. N Engl J Med 356:1503-1516, 2007
4)Serruys PW, et al:Percutaneous coronary intervention versus coronary-artery by-pass grafting for severe coronary artery disease. N Engl J Med 360:961-972, 2009
5)上嶋健治:運動負荷試験Q&A110, 南江堂,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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