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特集 内科 疾患インストラクションガイド―何をどう説明するか 循環器疾患
安定狭心症
著者: 渡邊雄介1 浅野竜太1 住吉徹哉1
所属機関: 1榊原記念病院循環器内科
ページ範囲:P.48 - P.52
文献購入ページに移動▲安定狭心症とは,心臓の筋肉(心筋)を栄養している冠動脈という血管が狭くなることにより,心筋が必要とする酸素量に見合った供給ができなくなり(これを心筋虚血という),その結果,胸の痛みや圧迫感,締め付け感などの発作を起こす病気です.
▲急いで歩いたり,階段の昇りや重いものを持ったとき,あるいは精神的な興奮などで心拍数や血圧が上昇し,心筋の酸素必要量が増加することが誘因となります.通常持続時間は長くなく,安静にすることで数分で症状が改善します.
▲冠動脈が狭くなる原因は,高血圧,糖尿病,高脂血症などにより進行した動脈硬化です.血管のけいれんが原因のこともあります.
▲胸の症状が今まで全くなく,ここ1~2カ月以内に始まった場合や,今までよりも軽い動作でも,あるいは安静にしているときにも症状が出る場合は,不安定狭心症の可能性があります.症状が持続する場合は急性心筋梗塞が疑われ,緊急の対応が必要です.
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