medicina48巻11号

2011年11月発行

特集 内科 疾患インストラクションガイド―何をどう説明するか

呼吸器疾患

急性呼吸促迫（窮迫）症候群

著者： 山本洋¹ 横山俊樹¹ 久保惠嗣¹

所属機関： ¹信州大学医学部内科学第一講座

ページ範囲：P.160 - P.162

文献概要

どんな病気なのでしょうか

▲何らかの原因になる疾患に伴って，両側肺に浸潤影を呈する（X線で両側の肺がまっ白になる）重症の急性呼吸不全で，心機能の低下を伴わないものをいいます．

▲原因になる疾患はさまざまですが，敗血症が最も多く，死亡率35～65％の重篤な病気です．

▲肺に集積した好中球（白血球の一種）から放出される活性酸素や蛋白分解酵素などによって，肺胞隔壁の透過性が亢進することで生じる肺水腫がこの病気の本態です．

参考文献

1）日本呼吸器学会ARDSガイドライン作成委員会（編）：ALI/ARDS診療のためのガイドライン第2版，日本呼吸器学会，秀潤社，2010

2）Bernard GR, et al：The American-European Consensus Conference on ARDS；Definitions, mechanisms, relevant outcomes, and clinical trial coordination. Am J Respir Crit Care Med 149：818-824, 1994

3）Rubenfeld GD, et al：Incidence and outcome of acute lung injury. N Engl J Med 353：1685-1693, 2005