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文献詳細

雑誌文献

medicina48巻11号

2011年11月発行

文献概要

特集 内科 疾患インストラクションガイド―何をどう説明するか 消化器疾患

原発性胆汁性肝硬変

著者: 石橋大海1 小森敦正1 下田慎治2

所属機関: 1国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター 2九州大学大学院病態修復内科学

ページ範囲:P.287 - P.289

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どのような病気なのでしょうか

▲原因は不明ですが,自己免疫という機序で肝臓の中の小さな胆管が破壊されるため,肝臓で産生され,胆管を通じて十二指腸へ排出されるべき胆汁が,肝臓内および血液中にうっ滞(停滞)し,全身の組織にビリルビンが沈着して黄疸が生じる病気です.

▲多くの場合,肝臓に炎症が生じ,放置して炎症が続けば肝硬変へと進展することもあります.

▲わが国では病初期で見つかることが多く,大部分(7~8割)は症状が出ることなく一生を終えます.

▲一部は炎症とうっ滞した胆汁により肝細胞が次第に破壊されて線維に置換され,徐々に肝硬変へと進行します.肝硬変に至ると肝臓の働きが低下して,黄疸が増強し,腹水貯留,意識障害(肝性脳症)を生じて肝不全という状態を呈します.食道静脈瘤もできます.

▲ウルソデオキシコール酸(UDCA)に病気の進展を遅らせる効果が認められており,治療薬として広く使用されています.

▲肝障害に伴う症候が出ている患者さんは,特定疾患として医療費の補助が受けられます.

参考文献

1)厚生労働省難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班(編):原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診療ガイド,文光堂,2011
2)厚生労働省難病情報センターホームページ http://www.nanbyou.or.jp/
3)Heathcote EJ:Management of primary biliary cirrhosis;The American Association for the Study of Liver Diseases practice guidelines. Hepatology 31:1005-1013, 2000
4)Lindor KD, et al;AASLD;Primary biliary cirrhosis. Hepatology 50:291-308, 2009
5)Murata Y, et al:Clinical features of symptomatic primary biliary cirrhosis initially complicated with esophageal varices. J Gastroenterol 41:1220-1226, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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