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文献概要
特集 内科 疾患インストラクションガイド―何をどう説明するか 消化器疾患
肝細胞癌
著者: 伊東和樹1
所属機関: 1肝臓病・子育てよろず相談伊東クリニック
ページ範囲:P.294 - P.297
文献購入ページに移動どのような病気なのでしょうか
▲肝細胞癌(以下,肝がん)は無症状の時期にエコー・CTなどの画像検査で見つかることが多いので病気を実感しにくいのです.しかし,放置するといずれは自覚症状があらわれ,症状が出てからだと確実な治療(根治)は難しくなります.無症状の段階で運良く発見されたのなら,チャンスを逃さぬよう前向きに治療を考えてください.
▲C型肝炎・B型肝炎など慢性の肝臓病を背景に発生する場合が多いので,がんの治療だけでなく,もとの肝臓病(慢性肝炎・肝硬変)のケアも大切です.
▲小さいうち(腫瘍径で3~4 cmまで)に見つければ,1個目の肝がんはどのような治療法を選んでも,ほぼ確実に片付けることができるでしょう.しかし,初回治療成功後でも慢性肝炎-肝硬変を基盤に,忘れたころに2,3個目の肝がんが出てくることも稀ではない.治療後も綿密なフォロー・アップ検査が肝心です.
▲2,3個目の肝がん発生を減らすために,また万一出てきた際にできるだけ有利な条件で再治療に臨めるように,基礎肝疾患の治療が大切なのです.肝機能を良好に保てれば,何回でも適切な追加抗癌治療ができ,長生きにつながります.
▲肝細胞癌(以下,肝がん)は無症状の時期にエコー・CTなどの画像検査で見つかることが多いので病気を実感しにくいのです.しかし,放置するといずれは自覚症状があらわれ,症状が出てからだと確実な治療(根治)は難しくなります.無症状の段階で運良く発見されたのなら,チャンスを逃さぬよう前向きに治療を考えてください.
▲C型肝炎・B型肝炎など慢性の肝臓病を背景に発生する場合が多いので,がんの治療だけでなく,もとの肝臓病(慢性肝炎・肝硬変)のケアも大切です.
▲小さいうち(腫瘍径で3~4 cmまで)に見つければ,1個目の肝がんはどのような治療法を選んでも,ほぼ確実に片付けることができるでしょう.しかし,初回治療成功後でも慢性肝炎-肝硬変を基盤に,忘れたころに2,3個目の肝がんが出てくることも稀ではない.治療後も綿密なフォロー・アップ検査が肝心です.
▲2,3個目の肝がん発生を減らすために,また万一出てきた際にできるだけ有利な条件で再治療に臨めるように,基礎肝疾患の治療が大切なのです.肝機能を良好に保てれば,何回でも適切な追加抗癌治療ができ,長生きにつながります.
参考文献
1)中島敏郎,神代正道:肝細胞癌―病理アトラス,シュプリンガー・フェアラーク,1986 〔肝がんという病気とその終末像を実感するには今なお最良の教科書である.日本語版/英語版とも絶版になってから久しいので,図書館などでご覧あれ.〕
2)日本肝癌研究会(編):臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約,第5版補訂版,金原出版,2009〔わが国の肝癌治療医たちの歴史が刻みつけられた書籍であり,専門外の医師にも一読を勧める.〕
3)日本肝臓学会(編):科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン,2009年版,金原出版,2009
4)日本肝臓学会(編):肝癌診療マニュアル,第2版,医学書院,2010〔この2冊は,腕には自信のある日本の肝癌治療医たちが,EBMのご時世に諸国の新参者たちに何とか負けぬようにとて作成したもの.肝がん治療の全体像を鳥瞰するには有用だが,実地診療の場でこれらガイドラインがどこまで遵守されているかは疑問なきにしもあらず.〕
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