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文献詳細

雑誌文献

medicina48巻11号

2011年11月発行

文献概要

特集 内科 疾患インストラクションガイド―何をどう説明するか 代謝・栄養障害

脂質異常症

著者: 横山信治1

所属機関: 1中部大学応用生物学部食品栄養科学科

ページ範囲:P.451 - P.454

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どのような病気なのでしょうか

▲「脂質異常症」とは,血液中の脂質[コレステロール,トリグリセリド(TGまたは中性脂肪)]が「異常」をきたしている状態を指します.具体的には,悪玉(LDL)コレステロールの増加,トリグリセリドの増加,善玉(HDL)コレステロールの低下,あるいはこれらの組み合わせで起こっている状態を指します.

▲以前は,高コレステロール血症,高脂血症などが動脈硬化症とそれによる病気(心筋梗塞や脳梗塞など)の危険因子として治療管理の対象となっていました.しかし,危険因子としての重要性はHDLコレステロールの低下やその他の脂質代謝の異常も含めて考えなければならないことから,このような呼び方(脂質異常症)になりました.

▲原因は生活習慣と遺伝的背景の両面が重要です.適切な食餌・運動療法が必須ですが,薬物による治療が必要な場合もあります.家族性高コレステロール血症などの遺伝的背景を軽視せず,見逃さないことも重要です.脂質異常症の改善は,心筋梗塞のリスクを減らします.

参考文献

1)日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療ガイド2008年版,協和企画,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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