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文献詳細

雑誌文献

medicina48巻12号

2011年11月発行

文献概要

今月の主題 内科診療に役立つメンズヘルス

著者: 堀江重郎1

所属機関: 1帝京大学病院泌尿器科

ページ範囲:P.1869 - P.1869

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 医学における男女の性差を論じる性差医学が登場して20年近くなる.この間,女性の健康意識を高め,女性医学を推進していく「ウィメンズヘルス」が,乳癌,骨粗鬆症,女性更年期などの分野を中心に大きく発展してきた.一方,男性は医学の標準(norm)とされてきたものの,世界的に医療機関へのアクセスは女性よりも悪く,健康意識も低いことが報告されている.日本は健康長寿大国であるものの,厚生労働省の国民健康・栄養調査においては,この20年間成人女性のBMIがどの年齢層でも低下しているのに対し,男性はどの年代でも増加している.また,日本の平均寿命は世界一であるが,男女の平均寿命の差は約7年間と,ほとんどのOECD加盟国より大きいことも事実である.

 このように,男性であることが健康に悪影響を与える状態を改善するために,「メンズヘルス」という考えが,今注目されている.狭義の「メンズヘルス」の概念には,①前立腺疾患など男性に特有な疾患,②テストステロンの減少によるLOH(late-onset hypogonadism)症候群,心血管障害などのリスクファクターである勃起障害(erectile dysfunction:ED),および③生活習慣病の発症や病態の男女の性差,などが含まれている.また,より広い意味では自殺,事故などを含む社会医学的な側面も含まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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