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文献詳細

雑誌文献

medicina48巻12号

2011年11月発行

今月の主題 内科診療に役立つメンズヘルス

メンズヘルス診療のトピックス

“夜間頻尿は短命”の理由

著者: 青木芳隆1 横山修1

所属機関: 1福井大学医学部泌尿器科学

ページ範囲:P.1980 - P.1981

文献概要

 「夜間頻尿の人が短命? 本当なの?」と思われたかもしれません.そもそも夜間頻尿とは,夜間に排尿のために1回以上起きなければならないという訴えであり,それにより困っている状態をいいます1).実際に治療の対象となっているのは,夜間排尿が2回以上の人が多いのです.夜間頻尿は睡眠を妨げますので,QOL疾患のように受け止められますが,夜間頻尿のある人は死亡率が高くなる,という報告がいくつかあります.海外の報告に加え,最近では日本からの報告があり,それによると,5年間の経過観察において,夜トイレに2回以上起きる人は1回以下の人に比べて約2倍の死亡率だったというものでした.年齢,基礎疾患の影響を除外しても危険度は高かったのです2)

 その理由としては,①夜間頻尿に関連する基礎疾患,②夜間頻尿に伴う転倒,骨折(大腿骨頸部骨折など)による影響,があります.大腿骨頸部骨折は,その後の合併症などにより死亡率が高いことは知られていますが,夜間頻尿は骨折の1つの原因となっています.

参考文献

1)Abrams P, et al:The standardisation for terminology of lower urinary tract function;Report from the standardisation Sub-committee of the International Continence Society. Nurourol Urodyn 21:167-178, 2002
2)Nakagawa H, et al:Impact of nocturia on bone fracture and mortality in older individuals;A Japanese longitudinal cohort study. J Urol 184:1413-1418, 2010
3)Aoki Y, et al:Relationship between nocturia and metabolic syndrome. ICS annual meeting 2009, San Francisco, USA. Abstract 145

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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