icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina48巻13号

2011年12月発行

文献概要

今月の主題 “がん診療”を内科医が担う時代 Column

がん患者団体の役割

著者: 天野慎介12

所属機関: 1NPO法人グループ・ネクサス 2厚生労働省がん対策推進協議会

ページ範囲:P.2080 - P.2080

文献購入ページに移動
 国内でのがん患者団体の活動は,すでに40年以上の歴史があるといわれていますが,その活動が特に活発化し,注目されたのは2000年以降です.端緒となったのは,海外で標準的に使用されている抗がん剤が,国内で未承認のために使用できない「未承認薬使用問題」(現在ではドラッグ・ラグといわれます)の解消を求めて,各地でがん患者が声を上げはじめたことです.その活動は「がん医療の均てん化」「がん情報や相談支援体制の充実」など,がん医療全体の向上を求める大きなうねりとなり,2006年のがん対策基本法の成立へと結実することとなりました.

 がん患者団体の活動内容には,このように行政や政治に働きかけを行い,がん医療の向上を求めていく「政策提言活動」もありますが,これ以外にも「普及啓発活動」や「相談支援活動」などがあります.「普及啓発活動」の内容としては,医療者を招いた講演会やシンポジウムの開催,会報誌やインターネットを通じた情報提供などがあります.「相談支援活動」の内容としては,患者や家族が参加する交流会や「がん患者サロン」の開催,電話や対面などを通じた相談窓口の開設などがあります.特に,同じ悩みをもつ患者や家族同士で,互いの経験を話し合い,分かち合う「ピア・サポート」については,当事者同士の自助活動の1つとして注目されています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら