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今月の主題 関節リウマチを疑ったら―診断・治療のUpdateと鑑別すべき膠原病
扉
著者: 岸本暢将1
所属機関: 1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児)
ページ範囲:P.165 - P.165
文献購入ページに移動 20年前の関節リウマチ(RA)治療の目標は,まず非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイドを十分使用しRAの症状を軽減させるというCareが中心であった.1990年台にアンカードラッグとしてメトトレキサート(MTX)が普及し,経口抗リウマチ薬(DMARDs)併用治療および生物学的製剤が登場するとともに,RAに対する治療戦略が変わり,その臨床的寛解が大きな治療目標となり,Cureも夢ではないかもしれない時代を迎えた.ところが“診断”というと,関節リウマチ長期罹患患者のデータを基に20年以上前に作られた1987年米国リウマチ学会RA分類基準を参考にするしかなかった.
2010年,欧州リウマチ学会にて待ちに待ったRA新分類基準が23年ぶりに最終発表された.これは“骨びらん”が起こる前に早期治療を開始する目的で早期診断ができるよう工夫された基準である.ところがこの基準には“関節リウマチと類似する他疾患を除外する”という項目が含まれている.つまり,日常診療で遭遇する最も頻度の高い膠原病の一つである関節リウマチの診療を行っていくうえで,プライマリケア医が関節炎をきたす膠原病の鑑別に精通することが至上命題となったのである.
2010年,欧州リウマチ学会にて待ちに待ったRA新分類基準が23年ぶりに最終発表された.これは“骨びらん”が起こる前に早期治療を開始する目的で早期診断ができるよう工夫された基準である.ところがこの基準には“関節リウマチと類似する他疾患を除外する”という項目が含まれている.つまり,日常診療で遭遇する最も頻度の高い膠原病の一つである関節リウマチの診療を行っていくうえで,プライマリケア医が関節炎をきたす膠原病の鑑別に精通することが至上命題となったのである.
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