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雑誌目次

雑誌文献

medicina48巻6号

2011年06月発行

雑誌目次

今月の主題 睡眠呼吸障害の克服―内科医が知っておきたい病態・症状・関連疾患

著者: 陳和夫

ページ範囲:P.923 - P.923

 睡眠呼吸障害は頻度の高い病態で,本邦でも高血圧,糖尿病,虚血性心疾患,心不全などの生活習慣病の数割以上の患者に睡眠時無呼吸が合併することが明らかになりつつあります.2005年に『成人の睡眠時無呼吸症候群 診断と治療のためのガイドライン』が発刊されましたが,2003年に米国高血圧合同委員会第7次報告(JNC-7)で,本邦でも『高血圧治療ガイドライン2009』で睡眠時無呼吸は二次性高血圧の原因の一つと認められ,二次性高血圧の最も頻度の高い要因となっています.さらに,2010年には日本循環器学会からの『循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン』が発刊されました.2008年には国際糖尿病連合が閉塞性睡眠時無呼吸と2型糖尿病の関連を示唆する声明も出しています.

 また近年,睡眠呼吸障害の疾患分類・診断にも変化があり,新しい治療機器も登場しています.閉塞性睡眠時無呼吸治療の基本となる持続気道陽圧(CPAP)の社会保険下の使用台数はすでに約17万台を超え,毎年15,000~20,000人の患者増加をみています.したがって,日常診療で遭遇する頻度が高く,Harrison内科学(第17版,2008年)に示されているように重要な病態になりつつあります.睡眠時無呼吸重症例の脳心血管障害合併による予後の悪化が明らかになるにつれ,CPAP治療などの普及,予防策としての小児からの治療,成人重症例への進展予防も重要と考えられます.睡眠時無呼吸による日中の過度の眠気は交通事故の発生,社会生活を送るにも支障をきたすことがあります.また,睡眠時無呼吸の結果として起こる低酸素血症には持続的な低酸素と間欠的な低酸素の2つの要素があり,それぞれの病態生理が解明されつつあります.

理解のための26題

ページ範囲:P.1080 - P.1083

睡眠呼吸障害とは

睡眠呼吸障害の歴史,定義と考え方

著者: 大井元晴

ページ範囲:P.924 - P.927

ポイント

★この20年程度の間に閉塞性睡眠時無呼吸症候群は臨床的に重要であり,頻度も高いことがわかってきた.

★睡眠呼吸障害は病態生理学的に,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,中枢性睡眠時無呼吸症候群,Cheyne-Stokes呼吸,睡眠時低換気に分類される.

★睡眠呼吸障害の原因は,睡眠に伴う生理学的変化が合併する疾患により大きく影響するためと考えられる.

睡眠呼吸障害の社会的問題点―わが国における疫学研究を中心に

著者: 淡野桜子 ,   谷川武

ページ範囲:P.928 - P.933

ポイント

★日本人の睡眠呼吸障害の有病率は,BMIの差にかかわらず,欧米人と同等であると推定される.

★眠気を伴わない睡眠呼吸障害であっても事故の原因となることがあり,また有病率も高いことから注意が必要である.

★睡眠呼吸障害は,本人や家族,医療従事者のみならず,職場,業界団体,行政を含めた社会全体で対処すべき問題である.

循環器領域における睡眠時無呼吸診療ガイドライン

著者: 百村伸一

ページ範囲:P.934 - P.941

ポイント

★循環器疾患には睡眠呼吸障害が高率に合併する.特に治療抵抗性高血圧,心不全ではスクリーニングが強く薦められる.

★閉塞性睡眠無呼吸に対する最も有効な治療は持続気道陽圧(CPAP)であり,それにより血管疾患の一次予防,二次予防が可能である.

★慢性心不全に合併する中枢性睡眠時無呼吸に対する最も重要な治療は心不全自体に対する治療である.

睡眠呼吸障害の病態生理

口腔内・上気道,閉塞型睡眠時無呼吸

著者: 磯野史朗

ページ範囲:P.943 - P.947

ポイント

★咽頭の開通性には咽頭周囲の軟部組織量と上顎・下顎の大きさのバランスが重要である.

★“二重あご”の発見とマランパチ分類が解剖学的アンバランス発見に有用である.

★中心性肥満患者では肺容量低下も咽頭閉塞性増加に関係する.

中枢型睡眠時無呼吸

著者: 中山秀章

ページ範囲:P.948 - P.950

ポイント

★睡眠,特にnon-REM睡眠では,呼吸は動脈血炭酸ガス分圧に依存している.

★中枢型無呼吸の出現には,低炭酸ガス血症性無呼吸閾値が重要で,化学感受性や呼吸出力が影響する.

★睡眠が不安定であると,覚醒とともに一過性の過換気を生じ,中枢型無呼吸が生じやすくなる.

睡眠関連低換気/低酸素血症

著者: 飛田渉

ページ範囲:P.952 - P.955

ポイント

★睡眠中に高炭酸ガス血症/低酸素血症となる疾患群がある.

★高炭酸ガス血症を伴う場合,低換気をきたす疾患を考える.

★一般に,レム(REM)睡眠時に低酸素血症が増強する.

間欠的低酸素

著者: 谷澤公伸 ,   陳和夫

ページ範囲:P.956 - P.959

ポイント

★閉塞型睡眠時無呼吸症候群は,繰り返す低呼吸/無呼吸イベントによる間欠的低酸素血症を特徴とする.

★間欠的低酸素血症は,生体に持続的低酸素血症とは異なる影響をもたらす病的現象である.

睡眠呼吸障害と性差

著者: 榊原博樹 ,   三重野ゆうき ,   林正道

ページ範囲:P.960 - P.964

ポイント

★睡眠呼吸障害と睡眠時無呼吸症候群の有病率には著明な男女差があり,疫学調査では2~3:1,受療患者では8~10:1で男性に多い.

★女性では閉経後に有病率が上昇することから,プロゲステロンの上気道筋開大作用が発症に防御的な役割を果たしている可能性がある.

★顎顔面および上気道形態の男女差も有病率の差異に関与している可能性がある.

★女性に関しては,睡眠呼吸障害の心血管障害や生命予後に対する影響は明らかになっていない.

睡眠呼吸障害の臨床症状,検査および診断

睡眠呼吸障害を疑う臨床症状,所見と検査順序

著者: 赤柴恒人

ページ範囲:P.966 - P.969

ポイント

★著明ないびきと日中の異常な眠気(過眠)が睡眠時無呼吸症候群(SAS)の臨床徴候として最も重要である.

★睡眠呼吸障害(SDB)に臨床症状が加わった場合にSASと診断する.

★SDBの診断には睡眠検査(polysomnography,簡易型睡眠モニター)が必須である.

★SDBは1時間当たりの無呼吸と低呼吸の和(無呼吸低呼吸指数:AHI)>5の場合に診断される.

簡易モニターと終夜睡眠ポリソムノグラフィ,経皮PCO2モニター,反復睡眠潜時検査

著者: 上田和幸 ,   陳和夫 ,   田中美智男

ページ範囲:P.970 - P.974

ポイント

★終夜睡眠ポリソムノグラフィ(PSG)は種々の睡眠障害に対して行われ,睡眠生理検査のゴールドスタンダードとされている.

★簡易モニターは測定項目が少なく精度に限界があるため,機器の特性を熟知したうえで使用すべきである.

★反復睡眠潜時検査(MSLT)は日中の眠気を客観的に評価する検査であり,前夜のPSGで睡眠の内容を把握することが重要である.

日中の眠気の指標―JESS(日本語版Epworth sleepiness scale)

著者: 竹上未紗 ,   福原俊一

ページ範囲:P.976 - P.979

ポイント

★ESS(Epworth sleepiness scale)は日中の眠気を測定する主観的尺度であり,臨床で最もよく使用されているものである.

★ESSの日本語版であるJESSは,原作者との協議により測定概念が確認されており,信頼性・妥当性が検証されている.

★主観的な尺度を用いて日中の過度な眠気(EDS)を評価する際には,回答バイアスや過大評価,過小評価といった問題を最小限にする配慮や慎重な結果の解釈が必要である.

睡眠呼吸障害の診断の新しい流れ

著者: 小林美奈穂 ,   山城義広

ページ範囲:P.980 - P.984

ポイント

★閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は循環器疾患などと関連が強く,OSAS自体の合併症を診ることも重要である.

★OSASの診断は症状と睡眠中の呼吸イベント〔無呼吸,低呼吸,RERA(呼吸努力関連覚醒反応)〕が睡眠1時間当たり5回以上で診断される.

★OSASの確定診断や鑑別診断には終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)が必要である.

睡眠呼吸障害と関連疾患

睡眠呼吸障害とメタボリックシンドローム

著者: 巽浩一郎

ページ範囲:P.986 - P.989

ポイント

★睡眠時無呼吸症候群では,メタボリックシンドロームの合併の有無を意識すべきである.

★睡眠時無呼吸症候群とメタボリックシンドローム共通の合併症は,脳血管障害,心血管病である.

睡眠呼吸障害と高血圧・脂質異常・動脈硬化

著者: 野田明子

ページ範囲:P.990 - P.993

ポイント

★重症閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者の血圧概日リズムは,健常者でみられる睡眠時の自然降圧がみられず,早朝にかけての血圧上昇や,睡眠中の血圧降下の欠如(non-dipper型)を示すことが多い.

★OSAS患者における高血圧症の合併は生命予後に影響する.

★持続気道陽圧(CPAP)療法は睡眠呼吸障害の改善のみならず,合併症および睡眠構築の改善をもたらし,その結果,患者のQOLは向上する.

★OSASの低酸素血症は酸化ストレスの発生と関係し,血管内皮機能の低下をもたらし,動脈硬化を促進し,心血管イベントの発症リスクとなる.

睡眠呼吸障害と虚血性心疾患,心不全

著者: 指田由紀子 ,   弓野大

ページ範囲:P.994 - P.999

ポイント

★閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は虚血性心疾患,心不全発症の危険因子であり,その予後にも関与する.

★中枢性睡眠時無呼吸(CSA)は心不全の帰結であり,その存在は予後不良因子となる.

★持続性陽圧呼吸(CPAP),適応補助換気(ASV)などの陽圧治療により睡眠呼吸障害を合併した虚血性心疾患や心不全患者のQOLおよび予後の改善が期待される.

睡眠呼吸障害と呼吸器疾患―COPD,気管支喘息を中心に

著者: 小川浩正

ページ範囲:P.1001 - P.1005

ポイント

★上気道虚脱抑制に関与するcaudal tracheal traction(尾側方向への気道牽引)は,肺気量や肺・胸郭弾性収縮力により決定される.

★呼吸器疾患では睡眠時の呼吸機能変化により,反復する一過性の低酸素血症を呈する.

★COPDと閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群の合併は,overlap症候群と呼ばれる

★気管支喘息の睡眠呼吸障害として,夜間喘息発作(nocturnal asthma)がある.

睡眠呼吸障害と神経内科疾患―脳血管障害を中心に

著者: 宮本智之 ,   宮本雅之 ,   平田幸一

ページ範囲:P.1006 - P.1009

ポイント

★脳血管障害患者の約50%に睡眠時無呼吸を合併する.

★無呼吸型は発症時期によって異なり,閉塞性睡眠時無呼吸とCheyne-Stokes呼吸型中枢性無呼吸が多くみられる.

★持続気道陽圧(CPAP)療法はQOLの改善と生命予後に好影響をもたらすが,使用継続が困難な症例が多いことが問題である.

睡眠呼吸障害と糖尿病

著者: 太田浩世 ,   木村弘

ページ範囲:P.1010 - P.1013

ポイント

★睡眠呼吸障害,そのうち睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者は糖尿病を多く合併する.

★糖尿病診療では睡眠時間やその質に関する問診により,SASの早期発見や積極的な治療が重要である.

睡眠呼吸障害と精神疾患

著者: 内村直尚

ページ範囲:P.1014 - P.1018

ポイント

★うつ病や統合失調症などの精神疾患では睡眠時無呼吸症候群を併発しやすい.

★一方,睡眠時無呼吸症候群でもうつ病などの精神疾患を併発しやすい.

★夜間の睡眠障害は全身倦怠感,頭重感および昼間の耐えられない眠気などの身体症状を生じるだけではなく,意欲低下,集中力低下,抑うつ気分などの精神症状も引き起こす.

睡眠呼吸障害と鑑別すべき過眠症

著者: 篠邉龍二郎 ,   塩見利明

ページ範囲:P.1020 - P.1023

ポイント

★睡眠呼吸障害と鑑別すべき過眠症は多数あり,また,それぞれ合併することがある.

★過眠症の鑑別には,反復睡眠潜時検査(MSLT)や睡眠日誌などの行動記録が必要である.

★ナルコレプシーの診断・治療ガイドラインは日本睡眠学会(http://www.jssr.jp)により作成され,公開されている.

睡眠呼吸障害と治療

CPAP(continuous positive airway pressure)

著者: 櫻井滋

ページ範囲:P.1024 - P.1030

ポイント

★持続気道陽圧(CPAP)療法は閉塞性睡眠呼吸障害(SAS)の最も確立された治療法である.

★受容性と継続性が課題とされていたが,近年では大きく改善している.

★適切な機器と治療圧を処方するための知識の有無が治療効果を左右する.

NPPV(noninvasive positive pressure ventilation)

著者: 坪井知正

ページ範囲:P.1032 - P.1035

ポイント

★NPPV(非侵襲的陽圧換気)療法の対象はREM関連低換気症例,最重症閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)およびOHS(肥満低換気症候群)症例,慢性呼吸器疾患にOSASを合併した症例である.

★NPPVは高CO2血症を伴う症例に在宅人工呼吸として用いられ,特に拘束性胸郭疾患ではその有用性が確立されている.

ASV(adaptive servo-ventilation/auto servo-ventilation)

著者: 笠木聡 ,   成井浩司

ページ範囲:P.1037 - P.1041

ポイント

★慢性心不全に睡眠呼吸障害は合併しやすく,予後不良因子と考えられている.

★睡眠呼吸障害を合併した慢性心不全患者の適応補助換気(ASV)使用による心機能改善やQOLの改善効果が報告されている.

★一方,ASVに保険適応の明確な基準がないため,使用目的,適応症例とその有用性などをよく理解し治療にあたる必要がある.

口腔内装置・口腔外科手術

著者: 吉田和也

ページ範囲:P.1042 - P.1046

ポイント

★日本人は欧米人と比較して,顎顔面形態が前後に短く,上下に長いことが多く,肥満の程度が低くても睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすい.

★口腔内装置はコンプライアンスがよいため軽症~中等症,重症であっても持続陽圧呼吸(CPAP)装置が許容できない症例に非常に多く臨床で使用されるようになった.

★下顎や上顎が小さく後退しているSASの患者に対する顎矯正手術は,呼吸機能の著明な改善とともに審美的改善をもたらすことが多い.

減量療法,側臥位睡眠,酸素療法,その他の内科治療

著者: 植木洋一郎 ,   井上雄一

ページ範囲:P.1047 - P.1051

ポイント

★閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に合併した肥満症に対しては,現体重の5~10%減を目標に食事療法,運動療法,薬物療法を組み合わせた治療を行う.

★体位依存性OSASは,主に仰臥位で無―低呼吸イベントが起こり,側臥位睡眠が有効である.

★慢性閉塞性肺疾患,肥満低換気症候群などを合併した一部のSAS患者に,酸素療法を補助的に行うことがある.

小児,神経筋疾患と高齢者の睡眠呼吸障害

小児の睡眠呼吸障害への対応―扁桃,アデノイド肥大および肥満の関与の観点から

著者: 神山潤

ページ範囲:P.1052 - P.1055

ポイント

★小児のいびきを軽視してはならない.

★臨床的に重症と判断した場合には経験豊富な施設の耳鼻科医を紹介したい.

★普段から耳鼻科医との緊密な連携をとりたい.

障害をもった小児に合併する小児呼吸障害への対応

著者: 宮田理英

ページ範囲:P.1056 - P.1058

ポイント

★一見閉塞性呼吸障害にみえても中枢性の要素も合併していることがあるので注意を要する.

★不眠に対して安易に投薬を行うと呼吸障害の増悪を招くので,注意が必要である.

神経筋疾患の睡眠呼吸障害への対応

著者: 石川悠加

ページ範囲:P.1060 - P.1062

ポイント

★睡眠時の非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)が第一選択の治療である.

★持続気道陽圧(CPAP)が有用である可能性は低い.

★酸素療法はCO2ナルコーシスの危険があるため,換気補助を同時に行う.

高齢者の睡眠呼吸障害への対応

著者: 大嶋康義 ,   中山秀章 ,   大平徹郎

ページ範囲:P.1063 - P.1066

ポイント

★高齢者の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は若年者と比べて女性や非肥満者が増加してくる.

★高齢者のSASは典型的な症状が減少し,見落とされやすい.

★高齢者のSASも治療の第一選択は経鼻的持続気道陽圧(CPAP)療法であり,良好なアドヒアランスが重要である.

座談会

多くの診療場面で遭遇する睡眠呼吸障害

著者: 陳和夫 ,   塩見利明 ,   櫻井滋 ,   内村直尚

ページ範囲:P.1068 - P.1079

睡眠呼吸障害は今まで呼吸器内科医,精神科医,耳鼻咽喉科医,歯科医が中心となり診療を行ってきました.しかし,高血圧,糖尿病,心不全の患者では睡眠時無呼吸を合併している頻度が高いことが明らかとなり,基礎疾患を適切に治療するうえでも,すべての内科医が睡眠呼吸障害を知り,合併症として考慮する必要があります.

そこで本座談会では,内科医が知っておくべき睡眠呼吸障害,特に睡眠時無呼吸の病態・症状と,高血圧,心血管障害,糖尿病,肝機能障害などの内科疾患,精神神経疾患とのかかわり,専門医との医療連携を含めた診断・治療法について,ご経験の豊富な4名の先生方に伺います.

REVIEW & PREVIEW

院外心停止の予後改善に向けた取り組み

著者: 西内辰也

ページ範囲:P.1109 - P.1111

 私が医師として働き始めた20年前,“DOA(dead on arrival)”と院外心停止はほぼ同じ意味で用いられていました.事実,院外心停止の多くは外来で死亡し,たとえ生存しても意識が回復しない例が大半でした.

 院外心停止の病院前救護は1991(平成3)年の救急救命士法制定により新しい時代を迎えました.2004(平成16)年には一般市民による自動体外式除細動器(automated external defibrillator:AED)の使用が認められ,2007(平成19)年にはおよそ9万台のAEDが医療機関以外の公共施設に設置されたことにより1),駅やスポーツ施設などでAEDを見かける機会が増えたように思います.

連載 手を見て気づく内科疾患・30

毛細血管拡張,限局型全身性強皮症:CREST症候群

著者: 松村正巳

ページ範囲:P.919 - P.919

患 者:72歳,女性

病 歴:17年前(55歳時)にレイノー現象が出現した.手の所見,抗核抗体2,560倍,抗セントロメア抗体陽性から,限局型全身性強皮症(limited cutaneous systemic sclerosis)の診断がなされた.

身体所見:指の皮膚硬化を認める(図1).左示指に毛細血管拡張の所見を認める(図2).圧迫すると紅斑は消退し,圧迫を解除するとすぐに赤くなる.同様の所見を両手掌にも数カ所認める.

演習・循環器診療・1【新連載】

蛋白尿・心電図異常から診断に至った心不全の症例

著者: 今井靖

ページ範囲:P.1085 - P.1088

症例

63歳の男性.

主 訴 下腿浮腫.

現病歴 当院受診5ヵ月前より,体重の増加は特に認めないものの下腿浮腫が繰り返し出現したため,勤務先の診療所を当院受診2ヵ月前に受診.心電図にも特に所見はなく,心エコーにおいて壁厚12~13 mm程度の左室肥大を認めるものの,左室駆出率は67%と保たれていた.しかしながら,その後も浮腫は改善せず悪化したため,精査のために当院に来院.

festina lente

一番病

著者: 佐藤裕史

ページ範囲:P.1089 - P.1089

 哲学者の鶴見俊輔氏は,小学生にして既に札付きの「不良」.元高級官僚で政治家で流行作家という選良である父・祐輔氏は,万引や自殺企図を繰り返す幼い俊輔氏に弱って渡米させる.Prep schoolで学才がにわかに開花し,Harvard大学で哲学を学ぶが,日米開戦で拘束され,留置場で卒論を書いて帰国.「ベ平連」や米軍脱走兵支援活動など波乱万丈の人生を通じて鶴見さんが日本の知識人の通弊と指摘するのが「一番病」である1, 2).同時代の学界の基準に沿って,既に一番になっている先頭集団に割り込み,席次を最重要視して病院でも料理屋でも音楽でも順位付けする格付け至上主義で,自分の頭の良さを世間に対して証明しようとする.私なりにいえば「正解のあらかじめ決まっている問題を与えられ,短時間で解き,期待通りに答えて,採点を待つ生き方」となろうか.ブランド志向やマニュアル志向も,何のことはない,明治以来脈々と受け継がれてきた一番病の現代風表現にすぎない.

 日本で独創的研究が出にくいのもヴェンチャー企業が伸びないのも同根だろう.医者だってほぼ全員が一番病患者ではないだろうか――医学部に合格し,膨大な暗記や実習,国家試験を通過した人だけなのだから.「大学中退の医者」があり得ない所以である.ただ,一番病を自覚してその手当をした人と,無自覚なままそれを他人に感染させる人との別はありそうだ.「学会の診療指針に準拠した医療を行って患者から文書で同意も得ていれば,その医療は合格である」とする医者など,未治療の一番病の疑いが濃厚であろう.「論文を書かない奴は死ね(publish or perish)」という米国製「グローバルスタンダード」も一番病患者には呑みこみやすい.これが医療に及ぶと「指針に合致しない治療は無意味」「4週間入院したらよくなっていてもいなくても退院か転院」という無情な効率主義に行きつく.

目でみるトレーニング

著者: 山辺瑞穂 ,   大本晃裕 ,   細川忍

ページ範囲:P.1090 - P.1095

The M&M reports 見逃し症例に学ぶ内科ERの鉄則・22

32歳女性 主訴 胸痛,失神

著者: 長谷川耕平 ,   岩田充永

ページ範囲:P.1096 - P.1102

救急レジデントH:

 生来健康な32歳女性が胸痛と失神のため救急外来に搬送となりました.午後いっぱい嘔気,頭痛,めまいがあったようですが,台所で夕食の準備中に胸痛を発症,そのあと気を失ってしまったとのこと.隣室でテレビを見ていた夫が音を聞いて駆けつけると,妻が床に倒れていたようです.意識は30秒ほどで正常状態に戻り,痙攣様の発作はなかったと言っています.

 既往歴は特になし.過去に痙攣発作,失神や心臓関連の疾患の既往はないようです.服薬はビタミン剤のみで,喫煙も飲酒もしないとのことです.

研修おたく海を渡る・66

医療の値段

著者: 白井敬祐

ページ範囲:P.1103 - P.1103

 今アメリカではオバマ政権がすすめるObamaCare(オバマケア)と呼ばれる医療保険改革が大きな話題となっています.実際の臨床現場にも,ずいぶん影響が現れています.

 アメリカでは,pre-authorizationと呼ばれる保険会社やMedicareなどの支払機関からの事前許可という仕組みがあります.日本のようにあとから審査するのではなく,事前に保険会社が支払いの可否を決定するのです.高価な抗がん剤だけでなく,慢性疾患に使う薬や画像検査をオーダーするにも,この事前許可が必要になるケースがかなり増えました.外来常駐のファイナンシャルカウンセラーや看護師が申請してくれるのですが,この作業にかかる時間は半端ではありません.審査ではまず,フリーダイヤルに電話し,長い保留の音楽を聞かされたあと,患者の状態,代替薬は試したか,どれくらいの期間使うつもりか,といった質問に延々と答えます.待ち時間を入れて一件の申請に30分以上かかることもあります.そこからさらに許可を得るのに早いときで数時間,遅いときは1週間ほど待たされるのです.これではタイミングのよい治療も難しいのです.

アレルギー膠原病科×呼吸器内科合同カンファレンス・15

急性増悪を繰り返した筋炎関連間質性肺炎

著者: 岡田正人 ,   仁多寅彦

ページ範囲:P.1104 - P.1108

後期研修医(呼吸器内科) 今回は呼吸器内科から膠原病科にコンサルトをお願いした患者です.78歳の女性で,遷延する軽度の咳嗽を主訴に当院内科外来を受診し,胸部X線写真とCTにて間質性肺炎を疑われ,同日呼吸器内科を紹介受診となりました.生来健康な女性で,特に既往歴はなく健康診断も含めて,長い間医療機関を受診したことはなかったそうです.喫煙歴や膠原病の家族歴などもありません.

医事法の扉 内科編・6

説明義務(1)

著者: 福永篤志 ,   松川英彦 ,   稲葉一人

ページ範囲:P.1112 - P.1113

 説明義務違反は,脳神経外科領域の医療訴訟の半数で争点として取り上げられ,そのうち約60%が裁判所に認定されていることがわかりました1).たしかに,外科系の診療科では,手術という,患者さんにとって最も侵襲の大きい医療行為の前には必要十分な説明が求められますから,注意深く説明せずに術後に患者さんに何か問題が生じた場合には,「適切な説明がなかった」,「適切な説明があれば手術は受けなかった」などとして説明不足を追及される可能性が比較的高いのでしょう.

 では,内科領域ではどうでしょうか.内科にも内視鏡手術や内視鏡下生検術などの手術類似の医療行為がありますし,抗癌剤の投与など,手術でなくても患者さんへの負担が大きい治療もあります.そもそも,診療契約上,医療側には報告義務が課せられ(民法645条),医療法でも,医療を提供する際の適切な説明と患者側の理解が求められていますから(医療法1条の4第2項),侵襲の大小にかかわらずすべての医療行為に説明義務があるといっても過言ではないかもしれません.

今日の処方と明日の医学・13

【創薬プロセス】の現状と展望

著者: 芝田英生 ,   日本製薬医学会

ページ範囲:P.1114 - P.1115

医薬品は,変革の時代を迎えています.国際共同治験による新薬開発が多くなる一方で,医師主導の治験や臨床研究などによるエビデンスの構築が可能となりました.他方,薬害問題の解析から日々の副作用報告にも薬剤疫学的な考察と安全対策への迅速な反映が求められています.そこで,この連載では医薬品の開発や安全対策を医学的な観点から解説し,日常診療とどのように結びついているのかをわかりやすくご紹介します.

書評

―IDATENセミナーテキスト編集委員会 編―市中感染症診療の考え方と進め方―IDATEN感染症セミナー

著者: 後藤元

ページ範囲:P.1067 - P.1067

 79歳の女性.認知症があり,自宅で半ば寝たきりで過ごしていた.2,3日前から元気がなくなり,食欲も低下してきた.37度台前半ではあるが微熱が出現している.胸部X線を撮ると右下肺野の透過性が低下しているようにみえる.血液検査では白血球数は4,800であったが,CRPは3.2と軽度ながら上昇していた.とりあえずキノロン系抗菌薬を経口で開始した.3日間使用したが,微熱は相変わらず続き,全身状態も改善がみられなかった.このため入院とし,抗菌薬をカルバペネムに変更した.しかし1週間経っても状態は同様であった.喀痰検査を行ってみたところ,Stenotrophomonas maltophiliaとMRSAが検出された.薬剤感受性成績をみるといずれもカルバペネム耐性である.そうか,だからカルバペネムは効かないのだ.この菌種を狙って抗菌薬を変更しようと今,考えているあなたにとって,本書は大きな助けとなってくれるであろう.

 感染症は,どの診療科であっても日常臨床の中で否応なしに対応を迫られる頻度の高い疾患である.しかし現在,わが国で感染症を専門としている医師は多くはない.ありていに言えば少ない.実際このような症例に遭遇した時,的確なアドバイスを与えてくれる上級医がそばにいてくれないという状況は少なくない.

information

第3回ISMSJ(Integrated Sleep Medicine Society Japan;日本臨床睡眠医学会)学術集会

ページ範囲:P.1013 - P.1013

日時●2011年8月26日(金)~28日(日)

会場●神戸ファッションマート(神戸市六甲アイランド)

第21回日本臨床精神神経薬理学会・第41回日本神経精神薬理学会合同年会開催概要

ページ範囲:P.1035 - P.1035

日時●2011年10月27日(木)~29日(土)

会場●京王プラザホテル(東京都新宿区西新宿)

第43回日本小児感染症学会総会・学術集会

ページ範囲:P.1046 - P.1046

会期●2011年10月29日(土)・30日(日)

会場●岡山コンベンションセンター(岡山市北区)

第24回日本総合病院精神医学会総会(福岡)開催のお知らせ

ページ範囲:P.1051 - P.1051

日時●2011年11月25日(金)~26日(土)

会場●福岡国際会議場(福岡市博多区)

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バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.1122 - P.1123

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編集室より

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●4月22,23日の両日,日本呼吸器学会が開催されました.東日本大震災の影響で会期は2日間に変更され,会場の東京国際フォーラムでは展示ホールなどを間仕切り,照明も落とされ,いつもと異なる印象を受けました.●演題は絞られ,緊急企画としてシンポジウム3題が追加されました.そのなかの1つ「災害時の呼吸器疾患の諸問題」では,人工呼吸器,CPAP装置を使う呼吸器疾患患者が災害に遭ったとき,医師,医療機器メーカー,患者がどう対応し,何を考えたかについて,阪神大震災,新潟中越地震,東日本大震災の経験をもとに発表されました.●「震災はまだ終わっていません」.シンポジストのお一人で,本特集に執筆,座談会に出席くださいました櫻井滋先生(岩手医科大学)の冒頭のひと言が忘れられません.被災地の惨状を示すスライドにも衝撃を受けました.睡眠呼吸障害患者を多く診ておられることから,睡眠医療科のスタッフとともに,CPAP使用者の安否と使用状況の確認,機器交換等に奔走されたそうです.医療機器の選定・使用にあたっては,災害時のメーカーの対応や患者自身の備えなど,緊急時でも使い続けられるよう,常時から多角的に考える必要があると切実に感じました.●自然災害を経験し,また弊誌で数多の疾患に触れるたびに,健康で平穏無事に暮らすことへの驚きと幸せを感じます.と同時に,リスクの高低はあるにせよ,いつ,誰に起こるかわからないという不安も抱きます.災害,疾患ともに未知な点も多く完全に防げるものではありませんが,まずは自らが考え,必要な情報を求め,備えることが大切ではないでしょうか.弊誌は内科臨床誌として診療の基本をおさえ日常の疑問に応えるとともに,救急時・緊急時に役立つ生きた情報を提供してまいりたいと思います.引き続きご愛読のほどをお願い申し上げます.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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60巻13号(2023年12月発行)

特集 一般医家のための—DOAC時代の心房細動診療

60巻12号(2023年11月発行)

特集 内科医が遭遇する皮膚疾患フロントライン—「皮疹」は現場で起きている!

60巻11号(2023年10月発行)

増大号特集 患者さんの質問にどう答えますか?—言葉の意味を読み解きハートに響く返答集

60巻10号(2023年9月発行)

特集 ミミッカー症例からいかに学ぶか

60巻9号(2023年8月発行)

特集 症例から読み解く—高齢者診療ステップアップ

60巻8号(2023年7月発行)

特集 浮腫と脱水—Q&Aで学ぶジェネラリストのための体液量異常診療

60巻7号(2023年6月発行)

特集 整形外科プライマリ・ケア—内科医が知りたい整形外科疾患のすべて

60巻6号(2023年5月発行)

特集 Common diseaseの処方箋ファイル—臨床経過から学ぶ20症例

60巻5号(2023年4月発行)

特集 臨床医からみたPOCT

60巻4号(2023年4月発行)

増刊号 探求!マイナーエマージェンシー

60巻3号(2023年3月発行)

特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る

60巻2号(2023年2月発行)

特集 慢性疾患診療のお悩みポイントまとめました—高血圧からヘルスメンテナンスまで

60巻1号(2023年1月発行)

特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート

59巻13号(2022年12月発行)

特集 令和の頭痛診療—プライマリ・ケア医のためのガイド

59巻12号(2022年11月発行)

特集 避けて通れない心不全診療—総合内科力・循環器力を鍛えよう!

59巻11号(2022年10月発行)

増大号特集 これからもスタンダード!—Quality Indicatorの診療への実装—生活習慣病を中心に

59巻10号(2022年9月発行)

特集 ちょっと待って,その痛み大丈夫?—“見逃してはいけない痛み”への安全なアプローチ

59巻9号(2022年8月発行)

特集 不安を自信に変える心電図トレーニング—専門医のtipsを詰め込んだ50問

59巻8号(2022年7月発行)

特集 日常診療に潜む臨床検査のピットフォールを回避せよ

59巻7号(2022年6月発行)

特集 抗菌薬の使い方—敵はコロナだけにあらず! 今こそ基本に立ち返る

59巻6号(2022年5月発行)

特集 ジェネラリストの羅針盤—医学部では教わらなかった28のクエスチョン

59巻5号(2022年4月発行)

特集 症例から学ぶ—電解質と体液量管理のベストアンサー

59巻4号(2022年4月発行)

増刊号 フィジカル大全

59巻3号(2022年3月発行)

特集 成人が必要とするワクチン—生涯を通した予防接種の重要性

59巻2号(2022年2月発行)

特集 意外と知らない? 外用薬・自己注射薬—外来診療での適“剤”適所

59巻1号(2022年1月発行)

特集 クリニカルクエスチョンで学ぶ糖尿病治療薬—糖尿病治療の新しい潮流

56巻13号(2019年12月発行)

特集 プライマリ・ケアのための—ポリファーマシー「超」整理法

56巻12号(2019年11月発行)

特集 内科医が押さえておくべき—検査の考えかたと落とし穴

56巻11号(2019年10月発行)

特集 不明熱を不明にしないために—実践から考えるケーススタディ

56巻10号(2019年9月発行)

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56巻9号(2019年8月発行)

特集 みんなが知っておきたい透析診療—透析のキホンと患者の診かた

56巻8号(2019年7月発行)

特集 一歩踏み込んだ—内科エマージェンシーのトリセツ

56巻7号(2019年6月発行)

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56巻6号(2019年5月発行)

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56巻5号(2019年4月発行)

特集 しまった!日常診療のリアルから学ぶ—エラー症例問題集

56巻4号(2019年4月発行)

増刊号 一人でも慌てない!—「こんなときどうする?」の処方箋85

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56巻2号(2019年2月発行)

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55巻13号(2018年12月発行)

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55巻12号(2018年11月発行)

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55巻11号(2018年10月発行)

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55巻10号(2018年9月発行)

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55巻9号(2018年8月発行)

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55巻6号(2018年5月発行)

特集 プロブレムから学ぶ感染症診療—すぐに役立つ厳選シナリオ30選

55巻5号(2018年4月発行)

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55巻4号(2018年4月発行)

増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬

55巻3号(2018年3月発行)

特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方

55巻2号(2018年2月発行)

特集 —デキる内科医の—神経内科コンサルト

55巻1号(2018年1月発行)

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