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文献詳細

雑誌文献

medicina48巻6号

2011年06月発行

文献概要

連載 医事法の扉 内科編・6

説明義務(1)

著者: 福永篤志1 松川英彦2 稲葉一人3

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会 立川病院脳神経外科 2国家公務員共済組合連合会 立川病院内科 3中京大学法科大学院

ページ範囲:P.1112 - P.1113

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 説明義務違反は,脳神経外科領域の医療訴訟の半数で争点として取り上げられ,そのうち約60%が裁判所に認定されていることがわかりました1).たしかに,外科系の診療科では,手術という,患者さんにとって最も侵襲の大きい医療行為の前には必要十分な説明が求められますから,注意深く説明せずに術後に患者さんに何か問題が生じた場合には,「適切な説明がなかった」,「適切な説明があれば手術は受けなかった」などとして説明不足を追及される可能性が比較的高いのでしょう.

 では,内科領域ではどうでしょうか.内科にも内視鏡手術や内視鏡下生検術などの手術類似の医療行為がありますし,抗癌剤の投与など,手術でなくても患者さんへの負担が大きい治療もあります.そもそも,診療契約上,医療側には報告義務が課せられ(民法645条),医療法でも,医療を提供する際の適切な説明と患者側の理解が求められていますから(医療法1条の4第2項),侵襲の大小にかかわらずすべての医療行為に説明義務があるといっても過言ではないかもしれません.

参考文献

1)福永篤志・他:脳神経外科領域における医療過誤―下級裁主要判例の検討.No Shinkei Geka 34:85-94, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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