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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻1号

2012年01月発行

文献概要

REVIEW & PREVIEW

人工心臓の現状と展望

著者: 絹川弘一郎1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科循環器内科学

ページ範囲:P.158 - P.161

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最近の動向

 2011年はまさに補助人工心臓元年というべき年になった.2010年まで実際に使用可能な補助人工心臓は体外式拍動流ポンプであるTOYOBO(現在のNIPRO VAS)しか存在せず,多くの患者はそのため退院できず,移植までの長期間入院継続して待機しなければならなかった.植え込み型補助人工心臓2機種が2011年4月より保険償還され,実臨床現場で使用可能となったことにより,そのような患者にとって退院可能となり自宅での待機はもとより,就労しつつ移植まで待機可能となったことは誠に喜ばしい.

 この2機種は図1に示すようにどちらも遠心ポンプ型であり,いわゆる定常流または連続流ポンプというものである.また,どちらも国産であり,心尖部脱血・上行大動脈送血は同じである.

参考文献

1)Kirklin JK, et al:Third INTERMACS annual report;The evolution of destination therapy in the United States. J Heart Lung Transplant 30:115-123, 2011
2)Kirklin JK, et al:Second INTERMACS annual report;More than 1,000 primary left ventricular assist device implants. J Heart Lung Transplant 29:1-10, 2010
3)Kinugawa K:How to treat stage D heart failure? When to implant left ventricular assist devices in the era of continuous flow pumps? Circ J 75:2038-2045, 2011
4)Strueber M, et al:Successful use of the heartware HVAD rotary blood pump for biventricular support. J Thorac Cardiovasc Surg 140:936-937, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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