文献詳細
文献概要
今月の主題 外来・病棟でのプライマリケアに必要な感染症の知識 緊急性の高い病態
脾臓摘出患者の発熱
著者: 岸田明博1
所属機関: 1手稲渓仁会病院外科
ページ範囲:P.1734 - P.1737
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★脾臓は血液濾過器としての機能だけではなく,感染症予防に対しても重要な働きを担っている.
★白脾髄,赤脾髄,marginal zoneの3部構成とopen theoryと称される脾臓内での独特な血液の流れが脾臓機能の理解において重要である.
★脾臓摘出術後あるいは脾機能低下症においては,激烈な経過をたどる感染症が約3%の頻度で発生し,OPSIと呼ばれている.
★OPSIは急速な進行と約25%に及ぶ死亡率のため,初期対応の大切なmedical emergencyである.
★病態の解明から,ワクチン接種と患者教育に基づく予防策の効果が証明されており,その積極的導入が推奨されている.
★脾臓は血液濾過器としての機能だけではなく,感染症予防に対しても重要な働きを担っている.
★白脾髄,赤脾髄,marginal zoneの3部構成とopen theoryと称される脾臓内での独特な血液の流れが脾臓機能の理解において重要である.
★脾臓摘出術後あるいは脾機能低下症においては,激烈な経過をたどる感染症が約3%の頻度で発生し,OPSIと呼ばれている.
★OPSIは急速な進行と約25%に及ぶ死亡率のため,初期対応の大切なmedical emergencyである.
★病態の解明から,ワクチン接種と患者教育に基づく予防策の効果が証明されており,その積極的導入が推奨されている.
参考文献
1)Morris DH, Bullock FD:The importance of the spleen in resistance to infection. Ann Surg 70:513-521, 1919
2)King H, Schmacker HB:Splenic studies;Sisceptibility to infection after splenectomy performed in infancy. Ann Surg 136:239-242, 1952
3)Holdsworth RJ, Irving AD:Postsplenectomy sepsis and its mortality rate;Actual versus perceived risks. Br J Surg 78:1031-1038, 1991
4)Bisharat N, Omari H:Risk of infection and death among post-splenectomy patients. J Infect 43:182-186, 2001
5)Sabatino AD, Carsetti R:Post-splenectomy and hyposplenic states. Lancet 378:86-97, 2011
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