文献詳細
文献概要
今月の主題 外来・病棟でのプライマリケアに必要な感染症の知識 専門家に相談すべき疾患
多剤耐性グラム陰性桿菌
著者: 荒岡秀樹1
所属機関: 1虎の門病院臨床感染症部臨床感染症科
ページ範囲:P.1756 - P.1759
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★グラム陰性桿菌の多剤耐性化は深刻な問題である.保菌に終わる場合も多いが,感染症の原因菌となった場合は速やかな対応が必要である.
★グラム陰性桿菌の耐性メカニズムは複雑であり,多剤耐性グラム陰性桿菌感染症に対して特定の推奨される治療レジメンは存在しない.
★基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌感染症に対しては,カルバペネム系抗菌薬の投与が推奨される.
★多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症に対しては,アズトレオナムとアミカシンなどの併用療法が試みられているが,エビデンスは不十分である.
★多剤耐性グラム陰性桿菌感染症が疑われた際には,専門家へのコンサルトが勧められる.
★グラム陰性桿菌の多剤耐性化は深刻な問題である.保菌に終わる場合も多いが,感染症の原因菌となった場合は速やかな対応が必要である.
★グラム陰性桿菌の耐性メカニズムは複雑であり,多剤耐性グラム陰性桿菌感染症に対して特定の推奨される治療レジメンは存在しない.
★基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌感染症に対しては,カルバペネム系抗菌薬の投与が推奨される.
★多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症に対しては,アズトレオナムとアミカシンなどの併用療法が試みられているが,エビデンスは不十分である.
★多剤耐性グラム陰性桿菌感染症が疑われた際には,専門家へのコンサルトが勧められる.
参考文献
1)Magiorakos AP, et al:Multidrug-resistant, extensively drug-resistant and pandrug-resistant bacteria;An international expert proposal for interim standard definitions for acquired resistance. Clin Microbiol Infect 18:268-281, 2012
2)Bliziotis IA, et al:Effect of aminoglycoside and beta-lactam combination therapy versus beta-lactam monotherapy on the emergence of antimicrobial resistance;A meta-analysis of randomized, controlled trials. Clin Infect Dis 41:149-158, 2005
3)Safdar N, et al:Does combination antimicrobial therapy reduce mortality in Gram-negative bacteraemia? A meta-analysis. Lancet Infect Dis 4:519-527, 2004
4)厚生労働省 院内感染対策サーベイランス事業 JANIS http://www.nih-janis.jp/
5)Tateda K, et al:“Break-point Checkerboard Plate”for screening of appropriate antibiotic combinations against multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa. Scand J Infect Dis 38:268-272, 2006
6)小栗豊子,他:ブレイクポイント・チェッカーボードプレートによる多剤耐性緑膿菌感染症に対する治療薬選択のためのスコア化による評価.日化療会誌 59:172-176, 2011
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