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書評
―武谷雄二 編著―女性を診る際に役立つ知識 フリーアクセス
著者: 水沼英樹12
所属機関: 1弘前大学医学部産科婦人科 2日本女性医学学会
ページ範囲:P.1689 - P.1689
文献購入ページに移動このたび,「女性を診る際に役立つ知識」が新興医学出版社から刊行された.東京大学名誉教授の武谷雄二先生が編者となって,第一線で活躍している専門医師が項目別に役立つ知識を解説している書籍である.過去にも産婦人科領域の診断や治療学に関し多数の類書が刊行されているが,それらの類書の教科書的な記述様式と異なり,本書では,女性であることの特質が女性に現れる徴候や個々の疾患の発症・進展にどのような影響を及ぼし病態の形成に関与していくかを知るということを基本姿勢として編集してある.臨床医としてまた生殖内分泌学の泰斗として長年活躍されてこられた武谷先生の意図するところがよく反映された一冊である.治療は正確な診断を下すことから開始されるが,その診断に至る過程は必ずしも一様ではない.限られた情報のなかでいかに効率的かつ的確な診断が下せるかは担当医の病気を診る目に負うところが少なくない.本書は病気を診る目の育成に必要な知識だけでなく,病気を診るうえで有用な知恵までも涵養してくれる.
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