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雑誌目次

雑誌文献

medicina49巻11号

2012年11月発行

雑誌目次

特集 いま,内科薬はこう使う 循環器薬

ジギタリス製剤

著者: 安村良男

ページ範囲:P.20 - P.22

同種薬剤と剤形

ジゴシン®(ジゴキシン):錠剤・散剤・注

ジゴハン®(ジゴキシン):錠剤

ハーフジゴキシン®(ジゴキシン):錠剤

ラニラピッド®(メチルジゴキシン):錠剤

ジギトキシン®(ジギトキシン):錠剤

カテコラミン系薬剤

著者: 加藤真帆人

ページ範囲:P.23 - P.25

 カテコラミン系薬剤は急性心不全治療にはなくてはならない薬物であるが,2000年代に入りβ遮断薬の予後改善効果や逆リモデリング効果が報告され,「強心」から「安静」へと心不全治療の概念が変換を遂げると,いつしか「必要悪」として扱われるようになった.しかしながら依然として急性期医療の現場では,強心薬は「命を救う薬物」として必要不可欠である1)

ホスホジエステラーゼⅢ阻害薬

著者: 南雄一郎 ,   志賀剛

ページ範囲:P.26 - P.28

 いずれもほかの薬剤で効果不十分な急性心不全(アカルディ®は慢性心不全も含む)が適応となる.ここでは一般的な使用法について述べる.

利尿ペプチド

著者: 花谷彰久

ページ範囲:P.29 - P.31

同種薬剤と剤形

ハンプ®(カルペリチド):注射剤(凍結乾燥)

硝酸薬

著者: 小島淳 ,   小川久雄

ページ範囲:P.32 - P.35

同種薬剤と剤形

 表1を参照.

冠拡張薬

著者: 朝倉正紀

ページ範囲:P.36 - P.38

硝酸薬

 詳細は別項に譲る.

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)

著者: 佐藤敦久 ,   福田誠一

ページ範囲:P.40 - P.43

同種薬剤と剤形

レニベース®,タナトリル®,コバシル®,エースコール®,ロンゲス®,プレラン®,カプトリル®,チバセン®など.すべて錠剤

直接的レニン阻害薬

著者: 市原淳弘

ページ範囲:P.44 - P.46

 レニンは,レニン-アンジオテンシン系の最上流に位置し系全体を調節する酵素である.340のアミノ酸で構成される糖蛋白であり,ペプシン,カテプシンD,キモシンなどが属するアスパラギン酸プロテアーゼ類に属す.すべてのアスパラギン酸プロテアーゼは図1で示すようにL字型蛋白が左右対称に向かい合い,その間に長く深い溝(cleft)を有する立体構造を有する.cleftの底部に2つのアスパラギン酸残基が存在し,それが蛋白分解酵素として作用してアンジオテンシノーゲン(AGT)のN末端から10番目のロイシンと11番目のバリンのアミノ酸結合を切断し10個のアミノ酸であるアンジオテンシンⅠを産生する.このAGTからアンジオテンシンⅠを産生する現象を「レニン活性」と呼び,レニンはほかのアスパラギン酸プロテアーゼ類酵素に比べ10万倍強い「レニン活性」を有する.AGTがレニンのcleftに侵入するのを防ぐように43個のアミノ酸から構成されるプロセグメントがレニン骨格に付随したものがプロレニンであり,そのままでは「レニン活性」を有さない.しかし,プロレニンが組織に存在する(プロ)レニン受容体に結合すると,プロレニンに立体構造変化が起こり,プロセグメントはcleftから離れてAGTがcleft内に侵入可能となる.つまり,(プロ)レニン受容体結合プロレニンは「レニン活性」を発揮する.直接的レニン阻害薬は,「レニン活性」を阻害することによって血圧を下げる降圧薬であり,ここではその使い方について述べる.

アンジオテンシンンⅡ受容体拮抗薬(ARB)

著者: 大藏隆文 ,   檜垣實男

ページ範囲:P.47 - P.49

同種薬剤と剤形

アバプロ®,イルベタン®(イルベサルタン):錠剤,オルメテック®(オルメサルタン):錠剤,ディオバン®(バルサルタン):錠剤,ニューロタン®(ロサルタン):錠剤,ブロプレス®(カンデサルタン):錠剤,ミカルディス®(テルミサルタン):錠剤

カルシウム(Ca)拮抗薬

著者: 小黒亮輔 ,   楽木宏実

ページ範囲:P.50 - P.53

 カルシウム(Ca)拮抗薬は強力な降圧作用を示し,糖脂質代謝へ悪影響を及ぼさず,副作用も少ないことから降圧治療の第一選択薬の一つとして頻用されている.強力な降圧効果により,高血圧患者の心血管イベント発症を抑制する.また,降圧療法以外にも狭心症治療薬や抗不整脈薬としても用いられている.臨床薬理的には,血管平滑筋への作用が強いジヒドロピリジン系(表1;L型,T型,N型)と,心筋や刺激伝導系に作用の強い非ジヒドロピリジン系(ベンゾチアゼピン,フェニルアルキルアミン)に分けられる.抗不整脈としての使い方については別項にあるため,本項では各種類のCa拮抗薬の使い方について降圧療法を中心に述べる.

β遮断薬

著者: 鈴木雅仁 ,   磯部光章

ページ範囲:P.54 - P.56

 β遮断薬は本態性高血圧,狭心症,不整脈,慢性心不全と幅広く適応を有するもののおのおのの薬剤におけるstrong pointにより使い分けを必要とする薬剤である.ここではその使い方について述べる(表1).

α遮断薬

著者: 星出聡 ,   苅尾七臣

ページ範囲:P.58 - P.60

同種薬剤と剤形

カルデナリン®,デタントール®R,ミニプレス®,バソメット®

抗血小板薬

著者: 後藤信哉

ページ範囲:P.61 - P.63

同種薬剤と剤形

バイアスピリン®,パナルジン®,プラビックス®,プレタール®,アンプラーグ®などの商品名の薬剤がある.多くは特許切れしているので,先発品メーカー以外が複数の製剤を販売している.アスピリン,チクロピジン,クロピドグレル,シロスタゾール,サルポグレラートなどの一般名を記憶するほうが臨床の役に立つ.錠剤が多いが,シロスタゾールには散剤もある.

抗凝固薬

著者: 三本木良紀 ,   矢坂正弘

ページ範囲:P.65 - P.67

非経口抗凝固薬

同種薬剤と剤形

ヘパリン®(未分画ヘパリン),フラグミン®(低分子ヘパリン),ノバスタン®(アルガトロバン),アリクストラ®(フォンダパリヌクス)

血栓溶解薬

著者: 太田覚史 ,   山田典一

ページ範囲:P.68 - P.70

同種薬剤と剤形

アクチバシン®,グルドパ®(アルテプラーゼ):注射製剤

クリアクター®(モンテプラーゼ):注射製剤

ウロキナーゼ®(ウロキナーゼ):注射製剤

プロスタグランジン製剤

著者: 板谷英毅

ページ範囲:P.71 - P.72

 いずれも血管拡張作用からの閉塞性動脈硬化症や肺高血圧症に対して適応があり,本稿ではその概念と使用方法について述べる(表1).

ループ利尿薬

著者: 辻野健 ,   増山理

ページ範囲:P.73 - P.75

 ループ利尿薬は強力な利尿効果をもつため,うっ血性心不全の治療に頻用される(表1).古くからある薬で,あまりエビデンスがなかったが,最近使用法や薬剤間の相違が注目されている.

サイアザイド系利尿薬

著者: 安東克之

ページ範囲:P.76 - P.78

 サイアザイド系利尿薬には,サイアザイド骨格をもつフルイトラン®,ニュートライド®などのサイアザイドとサイアザイド骨格をもたないナトリックス®などのサイアザイド類似薬がある.ニュートライド®はジェネリックであるが(わが国ではジェネリックしかない),欧米では最も一般的に用いられており,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)との合剤もこれが使われているので,あえてここで取り上げる.

カリウム保持性利尿薬・選択的アルドステロン拮抗薬

著者: 名越智古 ,   吉村道博

ページ範囲:P.80 - P.81

同種薬剤と剤形

アルダクトンA®:錠剤および散剤,セララ®:錠剤,ソルダクトン®:注射剤

バゾプレシンV2受容体拮抗薬

著者: 猪又孝元

ページ範囲:P.82 - P.85

同種薬剤と剤形

サムスカ®(トルバプタン):錠剤,15mg錠に割線あり.

Ⅰ群抗不整脈薬

著者: 池田隆徳

ページ範囲:P.87 - P.89

 心筋細胞膜の(イオン)チャネルまたは受容体に作用して心筋の電気活動に影響を及ぼし,不整脈を抑制する薬剤のことを抗不整脈薬と呼ぶ1,2).抗不整脈薬は,チャネルに対する作用でⅠ~Ⅳ群に分類され(Vaughan Williams分類),ナトリウム(Na)チャネル遮断作用が主な薬剤のことをⅠ群抗不整脈薬という1,2).Ⅰ群抗不整脈薬は,活動電位持続時間に対する作用でさらにⅠa群,Ⅰb群,Ⅰc群の3つに細分化される.

Ⅲ群抗不整脈薬

著者: 村川裕二

ページ範囲:P.90 - P.92

同種薬剤と剤形

アンカロン®(アミオダロン塩酸塩):錠剤・静注

ソタコール®(ソタロール塩酸塩):錠剤

シンビット®(ニフェカラント塩酸塩):静注

Ⅳ群抗不整脈薬(カルシウム拮抗薬)

著者: 藤木明

ページ範囲:P.94 - P.97

 Ⅳ群抗不整脈薬は,さまざまな頻脈性不整脈に用いられるが,それぞれの特徴に注意する(表1).

 不整脈の薬物治療は,まず患者の病態全体の把握が基本となる.上室頻拍の停止や心房細動頻脈のレート・コントロールには,ワソラン®やヘルベッサー®が第一選択となる.ただし,低血圧と心機能不全の増悪に注意する.ベプリコール®はカルシウム(Ca)拮抗薬に分類されるが特殊であり,むしろアミオダロンに近いマルチ・チャネルブロッカーとして認識する.持続性心房細動に使用する場合は低用量より開始し,1週間ごとQTの変化に注意しながら増量する.難しい部分もあるが,上手に使用すればきわめて有用な抗不整脈薬となる.

肺高血圧治療薬(PDE5阻害薬ほか)

著者: 池田聡司 ,   古賀聖士 ,   前村浩二

ページ範囲:P.98 - P.101

 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の発症に関する主な3つの経路として,エンドセリン経路,一酸化窒素(NO)経路,プロスタサイクリン経路があり,現在,この3つの経路に作用するPAHの治療薬が本邦でも使用可能となっている.これらの薬剤を含めたPAH治療のアルゴリズムを図11)に示す.本稿ではこの3種類のPAH治療薬について述べる.

禁煙補助薬

著者: 野田慶太 ,   朔啓二郎

ページ範囲:P.102 - P.104

同種薬剤と剤形1,2)

ニコチネルTTS®(一般的名称:経皮吸収ニコチン製剤):貼付剤(パッチ),チャンピックス®(一般名:バレニクリン):錠剤

呼吸器薬

鎮咳薬

著者: 桂蓉子 ,   熱田了 ,   瀬山邦明

ページ範囲:P.106 - P.107

 咳嗽は気道内の痰や異物を気道から喀出するための生体防御反応である.気道内異物により気道の咳受容体が刺激され,この刺激が咳中枢に伝わり,咳嗽が発生する.咳中枢に作用する鎮咳薬を中枢性鎮咳薬,末梢の咳受容体に作用するものを末梢性鎮咳薬と分類する.しかし,末梢性鎮咳薬は二次的に咳受容体に作用する薬剤であり,狭義の鎮咳薬は中枢性鎮咳薬のみである1)

 咳嗽には,大きく分けて喀痰を伴う湿性咳嗽と喀痰を伴わない乾性咳嗽がある.一般に,湿性咳嗽は咳嗽の原因が気道内に過剰に分泌された喀痰を喀出する目的で出現するため,咳嗽そのものは治療対象とならないことが多く,喀痰のコントロールと原疾患の治療が主体となる.しかしながら,体力消耗や疼痛などにより患者のQOLが著しく低下する場合には,湿性咳嗽に対しても鎮咳薬の投与が考慮される.一方,乾性咳嗽は咳嗽そのものが治療対象となることが多く,中枢性および末梢性鎮咳薬が積極的に投与されることが多い2).鎮咳薬の一覧を表1に示す.

去痰薬

著者: 関谷充晃 ,   吉見格 ,   瀬山邦明

ページ範囲:P.108 - P.111

 去痰薬は,呼吸器疾患などで気道粘液の過分泌や組成の変化が生じ,喀痰として自覚されるようになった気道分泌物の喀出促進や分泌抑制に働く薬剤である.去痰薬はその作用機序により,①粘液溶解薬,②粘液修復薬,③気道潤滑薬,④気道分泌細胞正常化薬に大別される1)(表1).本稿ではその使い方を中心に述べる.

気管支拡張薬

著者: 羽白高

ページ範囲:P.112 - P.115

 気管支拡張薬は,気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)の安定期の管理薬として,また増悪時の治療薬として,重要な意味をもつ薬剤である.本稿では,薬剤別に使い方を述べる.なお,β刺激薬には,吸入,錠剤,貼付剤と種々の剤形があるが,本稿では,吸入に絞って述べることとした.

吸入ステロイド薬

著者: 池田顕彦

ページ範囲:P.116 - P.118

同種薬剤と剤形

主な薬剤を表1に記す.

LABAと吸入ステロイド(ICS)合剤

著者: 池田顕彦

ページ範囲:P.119 - P.121

同種薬剤と剤形

薬剤を表1に示す.

抗ヒトIgEモノクローナル抗体

著者: 井上純人 ,   柴田陽光

ページ範囲:P.122 - P.124

 世界初の抗ヒトIgEモノクローナル抗体であるオマリズマブ(商品名:ゾレア®)は,既存の治療によってもコントロールが不良な難治性気管支喘息に適応となる.本稿ではその使用法について述べる.

点鼻用局所血管収縮薬

著者: 小田垣孝雄

ページ範囲:P.125 - P.127

同種薬剤と剤形

プリビナ®(ナファゾリン硝酸塩):点鼻液,ナーベル®(硝酸テトラヒドロゾリン):点鼻液,トラマゾリン®(トラマゾリン硝酸塩):点鼻液,ナシビン®(オキシメタゾリン塩酸塩):点鼻液,コールタイジン®(塩酸テトラヒドロゾリン,プレドニゾロン):点鼻液

点鼻ステロイド薬

著者: 小田垣孝雄

ページ範囲:P.128 - P.129

同種薬剤と剤形

アラミスト®(フルチカゾンフランカルボン酸エステル):点鼻液,ナゾネックス®(モメタゾンフランカルボン酸エステル):点鼻液,フルナーゼ®(フルチカゾンプロピオン酸エステル):点鼻液,アルデシンAQネーザル®(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル):点鼻エアゾール(噴射式),リノコート®(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル):パウダースプレー鼻用,カプセル剤(外用)

抗ヒスタミン薬

著者: 高橋理

ページ範囲:P.130 - P.132

第1世代抗ヒスタミン薬

同種薬剤と剤形

ポララミン®(クロルフェニラミンマレイン酸塩):散剤・錠剤・シロップ・ドライシロップ・注射,タベジール®(クレマスチンフマル酸塩):散剤・錠剤・シロップ

メディエーター遊離抑制薬

著者: 小山弘

ページ範囲:P.134 - P.135

同種薬剤と剤形

インタール®(クロモグリク酸ナトリウム):カプセル外用・エアロゾル・吸入液・点鼻液・点眼液・細粒,アレギサール®(ペミロラストカリウム):錠5mg/10mg・ドライシロップ0.5%・点眼液0.1%

ロイコトリエン受容体拮抗薬

著者: 山本真弓 ,   田中明彦 ,   足立満

ページ範囲:P.136 - P.138

同種薬剤と剤形

オノン®(プランルカスト水和物):カプセル・ドライシロップ,シングレア®,キプレス®(モンテルカストナトリウム):錠剤・チュアブル錠剤・細粒,アコレート®(ザフィルルカスト):錠剤

Th2サイトカイン阻害薬

著者: 山田浩和

ページ範囲:P.139 - P.141

同種薬剤と剤形

現在,Th2サイトカイン阻害薬として臨床応用および製造販売されている薬剤は1剤(スプラタストトシル酸塩:商品名アイピーディ®)のみである.剤形としては100mgと50mgのカプセル,および5%ドライシロップがある.

抗結核薬

著者: 鈴木克洋

ページ範囲:P.142 - P.144

同種薬剤と剤形

イソニアジド(INH):イスコチン®錠,ヒドラ®錠,イスコチン®

リファンピシン(RFP):リファジン®カプセル,リファンピシン®カプセル

エタンブトール(EB):エサンブトール®錠,エブトール®

ストレプトマイシン(SM):硫酸ストレプトマイシン®

ピラジナミド(PZA):ピラマイド®原末

消化器薬

H2受容体拮抗薬

著者: 杉山敏郎

ページ範囲:P.146 - P.149

同種薬剤

タガメット®,ザンタック®,ガスター®,アルタット®,アシノン®,プロテカジン®

プロトンポンプ阻害薬

著者: 東健

ページ範囲:P.150 - P.153

同種薬剤と剤形

オメプラール®(オメプラゾール):錠剤・注射剤,タケプロン®(ランソプラゾール):カプセル・OD錠・注射剤,パリエット®(ラベプラゾール):錠剤,ネキシウム®(エソメプラゾール):カプセル

酸中和薬

著者: 神谷武 ,   城卓志

ページ範囲:P.154 - P.156

 酸中和薬は,胃または十二指腸内で攻撃因子である胃酸を中和することにより制酸作用を示す薬剤で,消化性潰瘍治療薬のうち攻撃因子抑制薬の一つに位置づけられる.攻撃因子抑制薬の主体はプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI),H2受容体拮抗薬といった酸分泌抑制薬であるが,酸中和薬は局所性制酸剤で即効性があり,酸分泌抑制薬と併用し補助的に用いられる.消化管から吸収されにくく局所で作用するため,腹痛などの症状改善効果の出現が早く,また体液の酸-塩基平衡にほとんど影響を及ぼさないが,一般に作用時間が短い.

粘膜防御因子増強薬

著者: 鈴木秀和 ,   岩崎栄典 ,   日比紀文

ページ範囲:P.157 - P.159

 粘膜防御因子増強とは,粘液分泌増加,粘膜血流増加,細胞増殖,内因性プロスタグランジン増加,フリーラジカル抑制,熱ショック蛋白(heat shock protein:HSP)の誘導などの作用を指す.攻撃因子を抑制するH2ブロッカー,プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)とともに重要な薬剤であり,代表的薬剤について述べる.

ヘリコバクター・ピロリ除菌薬

著者: 徳永健吾 ,   畑英行 ,   高橋信一

ページ範囲:P.160 - P.162

 歴史的にヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)の除菌は,単剤併用療法から二剤併用療法,三剤併用療法と発展してきたが,原則的にわが国では,一次・二次除菌ともに酸分泌抑制剤であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)と抗菌薬二剤を併用する三剤併用療法を用いる.一次・二次除菌が保険適用されており,それ以外は保険適用外レジメンである(図1).

胃腸機能調整薬:ドパミン拮抗薬,セロトニン作動薬,トリメブチン

著者: 正田良介 ,   大和滋

ページ範囲:P.164 - P.167

 「胃腸機能調整薬」以外に「消化管運動賦活薬(prokinetics)」とも呼ばれ,主に上部消化管の運動を改善して症状を軽減する目的で使用される.対象疾患は,FD(functional dyspepsia)やいわゆる胃炎症状(嘔気・上腹部不快感など)である(註:トリメブチンは胃腸機能調整薬の範疇に入れられているが,prokineticsには分類されないことが多い)(表1).

 「制吐薬(5-HT3拮抗薬)」「ドパミン受容体アゴニスト」「抗コリン作動薬」「片頭痛発作時治療薬」「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI),ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)」「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」の項と作用機序が重複・類似するものがある.これらの薬剤は,それぞれ主な対象となる臓器は異なるが,消化管運動にも少なからぬ影響を与えることが知られている.また,「過敏性腸症候群治療薬」として胃腸機能調整薬も複数使用されている.

副交感神経抑制薬

著者: 小俣富美雄

ページ範囲:P.168 - P.171

四級アンモニウム塩合成抗コリン薬

同種薬剤と剤形

ブスコパン®:錠剤・注射液,プロ・バンサイン®:錠剤

大腸刺激性下剤

著者: 中澤敦

ページ範囲:P.172 - P.175

 便秘は排便の回数と量が減り,腹部膨満や腹痛などの症状が発現した状態を指す.大腸刺激性下剤は弛緩性便秘が適応となり,投与された薬剤あるいは代謝産物が大腸粘膜を刺激して,蠕動運動を亢進させることで排便を促す薬剤である.大腸刺激性下剤にはアントラキノン系誘導体,ジフェノール誘導体がある.

 薬剤は腸内細菌により加水分解され,その分解産物の大腸粘膜刺激作用や壁内Auerbach神経叢刺激作用により,蠕動運動が亢進される.また,大腸粘膜上皮細胞にあるNA-K-ATPaseを抑制し,水分・Naの吸収を阻害する1)

塩類下剤

著者: 小林清典

ページ範囲:P.176 - P.178

 塩類下剤には酸化マグネシウムや硫酸マグネシウム,クエン酸マグネシウムなどがある.このなかで,臨床の場で使用頻度が高い酸化マグネシウムとクエン酸マグネシウムについて,その作用機序や使用方法,副作用やほかの薬剤との相互作用などについて述べる.なお,塩類下剤では,適応外使用はほとんど行われていないため,記載を省略する.

腸管洗浄剤

著者: 上野文昭

ページ範囲:P.180 - P.181

 いずれも大腸内視鏡検査前処置としての適応があり,ここではその使い方について述べる(表1).

腸管運動抑制・分泌抑制薬

著者: 丸田紘史 ,   三浦総一郎

ページ範囲:P.182 - P.185

 基本的な注意として,出血性大腸炎(O157などによる腸管出血性大腸菌や赤痢菌などの重篤な細菌性下痢)患者への,腸管運動抑制薬の投与は禁忌となる.また,イレウスを増悪させることがある.

過敏性腸症候群治療薬

著者: 永田博司

ページ範囲:P.186 - P.190

 過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)に対しては,高分子重合体と消化管運動調節薬を初期投与し,さらに優勢症状を考慮して薬剤を選択追加することが推奨されている(図1).適応疾患としてIBSの保険病名が明記されているのは高分子重合体,セロトニン5-HT3受容体拮抗薬,一部の抗コリン薬とオピオイド受容体作動薬であるが,これら以外のさまざまな薬剤も臨床の現場で用いられている(表1).本項では高分子重合体,5-HT3受容体拮抗薬,抗コリンと漢方薬について解説する.オピオイド受容体作動薬のトリメブチンについては胃腸機能調節薬の項で解説されるので,本項では省略する.抗コリン薬も副交感神経抑制薬の項で解説されるので,簡単に述べる.

炎症性腸疾患治療薬:5ASA製剤

著者: 本谷聡 ,   山下真幸 ,   田中浩紀

ページ範囲:P.191 - P.193

 5ASA(5アミノサリチル酸)製剤は,潰瘍性大腸炎の寛解導入と寛解維持のいずれにも有効な基本治療薬である.Crohn病(Crohn disease:CD)にも有用であるが,近年その有効性が再評価されつつある.

炎症性腸疾患治療薬:生物学的製剤

著者: 鎌田紀子 ,   渡辺憲治

ページ範囲:P.194 - P.196

 現在,わが国で承認されている抗TNFαモノクローナル抗体製剤について,その適応と使用方法などを述べる(表1).

蛋白分解酵素阻害薬

著者: 伊佐地秀司

ページ範囲:P.197 - P.199

 わが国では,急性膵炎をはじめに,ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)後膵炎,慢性膵炎,胃切除後逆流性食道炎に種々の蛋白分解酵素阻害薬が広く使用されている.しかし,EBMの観点からみて保険適用量での使用では高いエビデンスのある薬剤はほとんどなく,保険適用外の使用量や投与方法でわずかなエビデンスが得られているに過ぎない.

 蛋白分解酵素阻害薬と一言でいっても,それぞれの薬剤には作用機序や適応疾患が異なり,さらに疾患やその重症度により投与量が異なるため,本稿ではまず各薬剤の薬理効果,保険適用疾患,副作用について述べ,ついで各疾患における投与量や投与方法について解説する.

グリチルリチン製剤

著者: 松﨑靖司

ページ範囲:P.201 - P.203

静注用グリチルリチン製剤

同種薬剤

強力ネオミノファーゲンシー®,ミノフィット®,ヒシファーゲン®はナショナルセンター採用の後発品)

インターフェロン製剤

著者: 重福隆太 ,   奥瀬千晃 ,   四柳宏

ページ範囲:P.204 - P.207

 消化器内科領域で使用されるインターフェロン(interferon:IFN)製剤には,IFN-α製剤とIFN-β製剤があり,その主な使い方,副作用について述べる.

C型肝炎ウイルス治療薬

著者: 田中克明

ページ範囲:P.208 - P.210

 C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)感染による炎症の持続により,慢性肝炎から肝硬変・肝細胞癌へと進展することから,HCV排除を目指した抗ウイルス薬の開発が進行中である.従来からペグインターフェロンとリバビリンの併用療法がC型慢性肝炎に対する標準的抗ウイルス療法とされてきたが,難治性のHCV genotype 1・高ウイルス量症例では著効率40~50%にとどまり,約半数の症例でHCVが排除できていない.2011年11月より第一世代プロテアーゼ阻害薬であるテラプレビルが保険適応となり,ペグインターフェロンとリバビリンを組み合わせた3剤併用療法で抗ウイルス効果も大幅に増加したが,高度の貧血,重篤な皮膚病変などの有害事象も多く,使い方にも配慮が求められている.

B型肝炎ウイルス治療薬

著者: 鈴木雄一朗 ,   黒崎雅之 ,   泉並木

ページ範囲:P.211 - P.213

 B型肝炎治療薬は大きく分けて核酸アナログ製剤とインターフェロンがある.B型肝炎はC型肝炎と違い完全治癒が難しい.2011年のガイドラインでは,若年層ではインターフェロンが効きやすいため,慢性肝炎で35歳未満ではIFNを中心とした治療,一方35歳以上では核酸アナログを中心とした治療が行われ,最終的にHBs抗原陰性化を目指している(表1).

胆汁酸製剤

著者: 柴田実

ページ範囲:P.214 - P.216

胆汁酸製剤

同種薬剤と剤形

胆汁酸製剤にはウルソデオキシコール酸(UDCA)とケノデオキシコール酸(CDCA)の2種類がある.ウルソデオキシコール酸の商品名はウルソ®,ウルソデオキシコール酸®,ウビロン®,ウルサミック®,ウルデストン®,ウルデックス®,ウルデナシン®,ゴクミシン®,プレコート®,レプター®であり,剤形は錠剤(50mg,100mg)と顆粒(5%,50mg/g)がある.ケノデオキシコール酸の商品名はチノ®であり,剤形はカプセル(125mg)である.

制吐薬:5-HT3受容体拮抗薬,選択的NK1受容体拮抗薬

著者: 船越信介 ,   高石官均 ,   日比紀文

ページ範囲:P.217 - P.220

 抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting:CINV)や放射線治療に伴う悪心・嘔吐(radiation-induced nausea and vomiting:RINV)は患者の全般的な生活の質を低下させるだけでなく,感情面,社会面,身体機能を含めたすべての面に悪影響を及ぼすことが知られている.急性および遅発性の悪心・嘔吐,予期嘔吐の予防や症状の軽減は癌患者のQOL,化学療法の維持において重要である.5-HT3受容体拮抗薬および選択的NK1受容体拮抗薬は制吐薬としての適応があり,ここではその使い方について述べる.

経口抗癌剤

著者: 長谷部行健 ,   種村宏之 ,   中崎晴弘

ページ範囲:P.221 - P.224

 本邦における経口抗癌剤の使用は,1981年に5-FU経口剤が承認されたことに始まる.以後,さまざまな抗癌剤が開発されてきたが,その歴史のなかでプロドラッグ化,biochemical modulationは抗腫瘍効果の増強に重要な役割を果たした1)

 一方で,抗癌剤の毒性の軽減への取り組みも研究され,1999年に承認されたTS-1以降の世代の抗癌剤は,抗腫瘍効果の増強に加え毒性の軽減にも十分に留意され開発された.

神経・筋疾患薬

抗てんかん薬

著者: 岩佐博人 ,   兼子直

ページ範囲:P.226 - P.230

 抗てんかん薬(antiepileptic drugs:AED)は,てんかん治療に適応される薬剤であるが,実質的には「発作」の抑制を目的として使用される薬物の総称である.一部のAEDには感情調整薬(気分安定薬)および抗精神病薬などの適応や,偏頭痛予防薬としての適応をもつものもあるが,本項では「発作」の抑制についてのAEDの使用法を述べる.また,用量などの記載内容は成人への使用を前提としたものである.

レボドパ

著者: 西川典子 ,   野元正弘

ページ範囲:P.231 - P.233

同種薬剤と剤形

レボドパ:ドパストン®(散剤985mg/g,カプセル250mg,注射25・50mg/10・20ml/A)

レボドパ・脱炭酸酵素阻害薬配合薬;カルビドパ/レボドパ(1:10):メネシット®(錠剤100mg,250mg),ドパコール®など(錠剤50mg,100mg)

ベンセラジド/レボドパ(1:4):イーシー・ドパール®,マドパー®など(錠剤25/100mg)

ドパミン受容体アゴニスト

著者: 梶本賀義 ,   三輪英人

ページ範囲:P.234 - P.236

同種薬剤と剤形

 ドパミン受容体アゴニスト(以下,ドパミンアゴニスト)はドパミン受容体に直接結合してドパミン様の作用を示す薬剤である.その構造から麦角系,非麦角系の2種類に分類される.現在,本邦では6種類のドパミンアゴニストが使用でき,ブロモクリプチン,ペルゴリド,カベルゴリンは麦角系,タリペキソール,プラミペキソール,ロピニロールは非麦角系である(表1).

抗コリン薬

著者: 菊地誠志

ページ範囲:P.237 - P.239

 抗コリン薬によるParkinson病治療は,Ordensteinによるアトロピン使用がその始まりとされている(1867年).1949年,Cunninghamは,新しい合成副交感神経遮断薬である塩酸トリヘキシフェニジルの薬理作用がアトロピンのそれにきわめて類似し,かつアトロピンにみられるような中毒作用が少ないことを報告した.以後,多くの同効薬が開発され今日まで使用され続けている1,2)

その他のParkinson病治療薬,選択的末梢COMT阻害薬,ゾニサミド

著者: 斎木英資

ページ範囲:P.240 - P.243

塩酸アマンタジン

同種薬剤と剤形

アマンタジン塩酸塩:シンメトレル®,アマンタジン塩酸塩錠®,ボイダン®,ロティファミン®,トーファルミン®,アマゾロン®など(錠剤),シンメトレル細粒®,ボイダン散®,アマゾロン細粒®など(散剤)

Alzheimer型認知症治療薬

著者: 東海林幹夫

ページ範囲:P.244 - P.246

 現在,アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)患者の認知機能改善のためにドネペジル(アリセプト®),ガランタミン(レミニール®),リバスチグミン(リバスタッチパッチ®/イクセロンパッチ®)とNMDA受容体抑制薬メマンチン(メマリー®)が使用されている.本項ではその使い方について述べる(表1).

末梢性筋弛緩薬

著者: 目崎高広

ページ範囲:P.247 - P.249

 『治療薬マニュアル2012』(医学書院)の「筋弛緩薬」の項で,痙縮・筋緊張治療薬に分類されている内服薬のうち,末梢性筋弛緩薬に分類されるのはダントロレンナトリウム(ダントリウム®)のみである.また,注射薬としてはボツリヌス毒素製剤がある.なお,本稿では麻酔・手術用の筋弛緩薬は扱わない.

中枢性筋弛緩薬

著者: 長谷川一子

ページ範囲:P.250 - P.253

GABAについて1)

 中枢性筋弛緩薬は,脊髄,脳幹の各部位で単シナプスあるいは多シナプス反射を主としてγアミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)受容体を介して抑制する薬物に属する.GABAは1950年代に脳特有の物質として同定されていたが,Kravitzら2)により甲殻類において抑制性アミノ酸であることが示され,抑制効果はGABA濃度に依存することが明らかにされた.その後1973年にOtsuka3)により,GABAは神経伝達物質である基準を満たす物質であると同定された.

 GABAはグルタミン酸からグルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase:GAD)により生合成される.GADは大脳灰白質に広く分布し,GAD濃度とGABA含量と一致している.GADはピリドキサルリン酸を補酵素として必要としている.

浸透圧利尿薬

著者: 七戸秀夫 ,   寳金清博

ページ範囲:P.254 - P.256

 いずれの薬剤も頭蓋内圧亢進時に,脳浮腫の低減と脳圧の降下を目的に投与される.

片頭痛発作時治療薬

著者: 高嶋良太郎 ,   渡邉由佳 ,   平田幸一

ページ範囲:P.257 - P.259

トリプタン系薬剤

同種薬剤と剤形

イミグラン®(スマトリプタン):錠剤・点鼻・注射,ゾーミッグ®(ゾルミトリプタン):錠剤・口腔内速溶錠,レルパックス®(エレトリプタン):錠剤,マクサルト®(リザトリプタン):錠剤・口腔内崩壊錠,アマージ®(ナラトリプタン):錠剤

抗めまい薬

著者: 山本昌彦 ,   吉田友英

ページ範囲:P.260 - P.263

 めまい疾患は,その症状の起こり方や程度,訴え方,随伴する症状などが多様である.この違いは,障害の部位,程度,患者自身の感じ方などの要素が絡んでいる.めまいは,内耳性めまいと中枢性めまいとに大きく分けられるが,ほかには心因性めまい,更年期症状としてのめまい,整形外科的・眼科的めまいなど多岐にめまい症状として扱われることが多い.めまい症状の訴えがあるものの,病態や原因がはっきりしない場合,所見がとれない場合などもあり,その扱いに苦慮することも少なくない.本項では,症状や障害がはっきりしている内耳性めまい疾患について,めまい症状に対する薬物治療とそのほかの治療法を説明したい.

血液疾患薬

鉄剤

著者: 岡田定

ページ範囲:P.266 - P.267

同種薬剤と剤形

経口鉄剤では,クエン酸第一鉄ナトリウムとしてフェロミア® 50mg(顆粒剤もある),硫酸鉄(除放剤)としてフェロ・グラデュメット® 105mg,スローフィー® 50mg,テツクール® 100mg,フマル酸第一鉄(除放剤)としてフェルム® 100mg,ピロリン酸第二鉄としてインクレミン® 6mg/ml

静注鉄剤では,含糖酸化鉄としてフェジン® 40mg/2ml,シデフェロンとしてフェリコン® 50mg/2ml

G-CSF製剤

著者: 渡辺卓郎 ,   神田善伸

ページ範囲:P.268 - P.272

同種薬剤と剤形

 本邦で用いられているG-CSF製剤はノイトロジン®,グラン®,ノイアップ®の3剤でいずれも注射剤である(表1).

エリスロポエチン産生刺激製剤

著者: 長谷川毅 ,   藤岡礼 ,   笹井文彦

ページ範囲:P.274 - P.277

 腎不全患者の最頻の合併症である腎性貧血は腎不全の進行に伴う内因性エリスロポエチン(erythropoietin:EPO)分泌の相対的欠乏により生じる.1990年より日本でも臨床応用されたEPO産生刺激製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)は,それまで頻回の赤血球輸血を余儀なくされていた腎不全患者の腎性貧血管理を劇的に改善し,生命予後やQOLを大きく向上させた.ESA製剤は諸外国では腎性貧血のみならず抗癌剤投与による副作用としての貧血に対しても使用されている.しかしわが国では,その生命予後悪化および腫瘍増殖促進のリスクの懸念から,癌化学療法に伴う貧血へのESA製剤の適応承認は現在なされていない.そこで本稿では,わが国で2012年現在,使用可能な腎性貧血治療薬としてのESA製剤の使用方法に限定して述べる.

ヒト免疫グロブリン製剤

著者: 辰巳陽一

ページ範囲:P.278 - P.281

 ヒト免疫グロブリン製剤は,ヒト血漿を凍結・融解し,クリオプレシピテートを分離した後,その上清からコーンの低温エタノール分画法により,アルブミン,第Ⅸ因子とともに高純度に精製・濃縮して作製される.ヒト免疫グロブリン製剤は,主に感染症あるいは,自己免疫疾患に対して使用され,その用途により静脈注射用免疫グロブリン製剤と,特殊免疫グロブリン製剤に分類される.本項ではその使用法について述べる.

慢性骨髄性白血病薬

著者: 福島伯泰 ,   木村晋也

ページ範囲:P.282 - P.284

 慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia:CML)治療は,劇的に進歩している.本稿では,現在CML治療に使用されている薬剤について概説する.

代謝・栄養障害薬

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)

著者: 塚本和久

ページ範囲:P.286 - P.288

同種薬剤と剤形

メバロチン®(プラバスタチンナトリウム錠,細粒),リポバス®(シンバスタチン錠),ローコール®(フルバスタチンナトリウム錠),リピトール®(アトルバスタチンカルシウム錠),リバロ®(ピタバスタチンカルシウム錠),クレストール®(ロスバスタチンカルシウム錠)

フィブラート系薬剤

著者: 南雲彩子 ,   白井厚治

ページ範囲:P.289 - P.290

 フィブラート系薬剤は,主にトリグリセリド低下作用を有し,HDL-コレステロール(HDL-C)を上昇させる作用がある.トリグリセリドは,VLDL,レムナントによって運ばれており,動脈硬化とは間接的にかかわる.フィブラート系薬剤の抗動脈硬化作用は必ずしも確立はしていないが,冠動脈疾患発生を抑制するとの報告もあり,機序としては,脂質低下作用以外に,peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR)-α活性化が直接,間接的に作用することが挙げられている.食事療法,運動療法,飲酒制限のみでは改善しない高中性脂肪血症に対するフィブラート系薬剤の使い方について述べる.

陰イオン交換樹脂

著者: 山川正

ページ範囲:P.291 - P.293

 陰イオン交換樹脂(胆汁酸吸着レジン)はHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)開発以前においてはコレステロール低下作用が最も強力であり,作用機序が明確で重篤な副作用がないため世界中で広く使われていた.また,大規模臨床試験によって冠動脈疾患の発症抑制効果を証明した初めての薬剤である1,2).一方で,従来の陰イオン交換樹脂は量が多いため服用しにくく,便秘や腹部膨満感などの副作用のためにスタチン発売以降はこれにとって替わられている.しかし,重篤な副作用がないため,スタチンが使用できない症例や併用薬として有用である.

ニコチン酸製剤

著者: 平野勉

ページ範囲:P.294 - P.295

 ニコチン酸製剤はナイアシンとも称される.ナイアシン(Niacin)はニコチン酸ビタミン(NIcotinic ACid vitamIN)の略称であるが,この名称は元のニコチン酸という言葉がたばこに含まれる有害物質であるニコチンと混同されるのを避けるために名付けられた.ナイアシンは,ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で,ビタミンB3ともいう.糖質・脂質・蛋白質の代謝に不可欠であり,エネルギー代謝の酸化還元酵素の補酵素として重要である.

イコサペント酸エチル

著者: 及川眞一

ページ範囲:P.296 - P.301

同種薬剤と剤形

EPA製剤を表1に示した.

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

著者: 山下静也

ページ範囲:P.302 - P.305

 小腸におけるコレステロール吸収を抑制する薬剤で,エゼチミブのみが市販されている.HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)などと同様に,脂質異常症のなかで,主として高LDLコレステロール(LDL-C)血症に効果があり,本項ではその使い方と適応,注意点について述べる.

インスリン製剤

著者: 大村千恵 ,   綿田裕孝

ページ範囲:P.306 - P.310

作用機序

 血糖降下作用をもつ唯一のホルモンであるインスリンは,生体内の糖代謝システムの中心的役割を担っている.インスリンは糖代謝の面から主に,肝臓,骨格筋,脂肪組織に作用し,血糖値の恒常性を維持している.そのほか,血管内皮,腎臓,心臓,中枢神経,骨にもインスリンは作用する.

スルホニル尿素薬

著者: 橋本尚子 ,   清野進

ページ範囲:P.312 - P.315

同種薬剤と剤形

スルホニル尿素(SU)薬とは構造式にSU基を含む薬剤である(図1).代表的な薬剤の一覧を示す(表1).オイグルコン®はSU骨格とベンズアミド骨格の2カ所で強力に結合するため,インスリン分泌刺激作用が従来のSU薬と比して強い.一方,グリミクロン®はSU骨格でのみ結合し,インスリン分泌作用は穏やかである.

速効型インスリン分泌促進薬

著者: 太田明雄 ,   田中逸

ページ範囲:P.316 - P.318

 速効型インスリン分泌促進薬であるグリニド薬は食後の血糖上昇を抑えるために開発された薬剤であり,安息香酸誘導体のレパグリニド,D-フェニルアラニン誘導体のナテグリニド,ベンジルコハク酸誘導体のミチグリニドの3剤がある.日本で市販されているグリニド薬を表1に示す1)

α-グルコシダーゼ阻害薬

著者: 森豊

ページ範囲:P.320 - P.323

α-グルコシダーゼ阻害薬がなぜ必要なのか?

 UKPDS試験により,HbA1cの低下は細小血管障害の発症抑制に寄与するものの,HbA1cの低下のみでは大血管障害は必ずしも抑制できないことが明らかになった.その要因の1つとして,HbA1cでは捉えられない血糖の変動が関与していると考えられている.さらに,ACCORD,ADVANCE,VADT試験では,HbA1cによる厳格な血糖コントロールにもかかわらず有意な心血管イベント抑制効果は認められなかった.さらに,冠動脈疾患既往例を多く含んだACCORD試験に至っては,重篤な低血糖を多数引き起こし,死亡率の上昇につながった.すなわち,「食後高血糖」や「低血糖」といったHbA1cでは捉えられない血糖変動を制御することが,心血管合併症発症阻止を見据えた糖尿病治療には不可欠であり,食後血糖改善薬に位置付けられるα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)の担う役割は大きいものと考えられる.

ビグアナイド薬

著者: 黒瀬健

ページ範囲:P.324 - P.325

同種薬剤と剤形

メトホルミンにはグリコラン®,メルビン®,メデット®,メトグルコ®,またブホルミンにはジベトス®,ジベトンS®などがある.

インスリン抵抗性改善薬,インスリン抵抗性改善薬・DPP-4阻害薬合剤

著者: 木村友彦 ,   加来浩平

ページ範囲:P.326 - P.329

インスリン抵抗性改善薬

同種薬剤と剤形

アクトス®錠15,アクトス®錠30,アクトス®OD錠15,アクトス®OD錠30(ピオグリタゾン塩酸塩)

インクレチン関連薬

著者: 濵崎暁洋 ,   稲垣暢也

ページ範囲:P.330 - P.333

同種薬剤と剤形

DPP-4阻害薬:シタグリプチン(ジャヌビア®;錠剤,グラクティブ®;錠剤),ビルダグリプチン(エクア®;錠剤),アログリプチン(ネシーナ®;錠剤),リナグリプチン(トラゼンタ®;錠剤),テネリグリプチン(テネリア®;錠剤)

GLP-1受容体作動薬(ヒトGLP-1アナログ):リラグルチド(ビクトーザ®;注射薬),エキセナチド(バイエッタ®;注射薬)

痛風・高尿酸血症治療薬

著者: 山本徹也 ,   小山英則

ページ範囲:P.334 - P.337

 痛風関節炎治療薬と高尿酸血症治療薬に分けられる.

カルシトニン製剤

著者: 山田真介 ,   稲葉雅章

ページ範囲:P.338 - P.340

 カルシトニンは哺乳類では主に甲状腺C細胞から分泌されるペプチドホルモンで,骨吸収抑制作用・鎮痛作用などの薬理作用を有する.カルシトニンの活性値は哺乳類よりもウナギやサケなどの魚類において高いため,合成ウナギカルシトニン誘導体(エルカトニン)や合成サケカルシトニン誘導体〔カルシトニン(サケ)〕が開発され,特に骨粗鬆症性疼痛における第一選択薬として推奨されている.

活性型ビタミンD3製剤

著者: 矢野彰三 ,   杉本利嗣

ページ範囲:P.341 - P.344

 活性型ビタミンD3製剤は慢性腎不全,骨粗鬆症,副甲状腺機能低下症,ビタミンD抵抗性くる病・骨軟化症に対して用いられ,近年は骨粗鬆症や透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症(secondary hyperparathyroidism:2HPT)に対する治療に特化した薬剤開発がなされている(表1).

副甲状腺ホルモン

著者: 竹内靖博

ページ範囲:P.345 - P.347

同種薬剤と剤形

・フォルテオ®:皮下注キット 600μg,遺伝子組み換えによるテリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモン1-34フラグメント),デバイス一体型プレフィルド注射液

・テリボン®:皮下注用 56.5μg,合成によるテリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモン 1-34フラグメント),バイアル

ビスホスホネート製剤

著者: 近藤剛史 ,   遠藤逸朗 ,   松本俊夫

ページ範囲:P.348 - P.350

 ビスホスホネートは酸素原子によりリン酸基をつなぐピロリン酸のP-O-P構造の代わりに炭素原子がリン酸基をつなぐP-C-P結合をもち,アルカリフォスファターゼなどによる分解を受けない.側鎖構造の違いにより第一から第三世代まで開発されている.骨粗鬆症や悪性腫瘍による高Ca血症,多発性骨髄腫や癌の骨転移による骨病変に対し使用される.わが国で認可されているビスホスホネートでは第一世代がエチドロネート,側鎖に窒素を含有する第二世代がアレンドロネート,パミドロネート,側鎖に窒素を含有し,環状構造を有する第三世代がリセドロネート,ゾレドロン酸,ミノドロン酸に分類される.

選択的エストロゲン受容体モジュレーター

著者: 髙栁涼一

ページ範囲:P.351 - P.353

同種薬剤と剤形

エビスタ®(ラロキシフェン塩酸塩):60mg錠剤,ビビアント®(バゼドキシフェン酢酸塩):20mg錠剤

ビタミンK製剤

著者: 井上聡

ページ範囲:P.354 - P.355

 ビタミンK製剤としては,骨粗鬆症治療剤のグラケー®(メナテトレノン),止血機構賦活ビタミンのケイツー®(メナテトレノン),ケーワン®(フィトナジオン)があるが,本項では骨粗鬆症治療剤のグラケー®について述べる.

内分泌疾患薬

成長ホルモン製剤

著者: 高野幸路

ページ範囲:P.358 - P.360

 成人の重症成人成長ホルモン分泌不全症,小児の下垂体性低身長,Turner症候群による低身長に適応があり,一部は,軟骨無形成症,Prader-Willi症候群,慢性腎不全,子宮内胎児発育不全(IUGR)などによる低身長に適応がある,ここでは成人成長ホルモン分泌不全症に対する使い方について述べる.

成長ホルモン分泌抑制薬,成長ホルモン受容体拮抗薬

著者: 肥塚直美

ページ範囲:P.361 - P.363

 成長ホルモン(GH)分泌抑制薬およびGH受容体拮抗薬はGH過剰の病態である先端巨大症に対して適応があり,ここでは主にその使い方について述べる1~3).これらの薬剤の特性の比較を表1に示す.

麦角アルカロイド誘導体

著者: 桑原(島津)智子 ,   島津章

ページ範囲:P.364 - P.365

 持続性ドパミン作動薬として,プロラクチン(PRL)産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ),高プロラクチン血症の治療に用いられる1).成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症)の一部にも有効である.

下垂体後葉ホルモン製剤

著者: 村瀬孝司 ,   大磯ユタカ

ページ範囲:P.366 - P.368

 下垂体後葉ホルモンにはバゾプレシン(arginine vasopressin:AVP)とオキシトシンの2種類がある.オキシトシンは子宮収縮作用があり,産科領域では分娩誘発などで用いられるが,内科領域で用いられることはないので,本稿ではAVP関連薬について述べることにする.

抗甲状腺薬

著者: 宇佐俊郎 ,   植木郁子

ページ範囲:P.369 - P.371

同種薬剤と剤形

メルカゾール®(チアマゾール):錠剤・注射剤,プロパジール®,チウラジール®(プロピルチオウラシル):錠剤

甲状腺ホルモン製剤

著者: 宇佐俊郎 ,   植木郁子

ページ範囲:P.372 - P.373

同種薬剤と剤形

●T4製剤

チラーヂンS®,レボチロキシンNa®(レボチロキシンナトリウム水和物):錠剤・散剤

●T3製剤

チロナミン®(リチオロニンナトリウム):錠剤

●乾燥甲状腺(生物由来)

チラーヂン末®:粉末

男性ホルモン製剤

著者: 高栄哲

ページ範囲:P.374 - P.376

 テストステロン(男性ホルモン)製剤は,男子性腺機能不全(類宦官症),造精機能障害による男性不妊症,再生不良性貧血,骨髄線維症,腎性貧血に対する保険適用がある.本剤は比較的古く副作用の少なく,使いやすい薬剤である.最近,加齢男性性腺機能低下(late-onset hypogonadism:LOH)症候群(後述)の補充療法のため比較的よく使用されるようになった.しかし,男性不妊症の治療に使用されることはなく,時に再生不良性貧血に使用される.

 本剤はKlinefelter症候群などの先天性原発性性腺機能症(類宦官症)に対する補充療法に使用されている.その使用にあたって,勃起機能障害などの具体的な症状がある場合に限るべきであって,効果がなければ使用を控える.単に低男性ホルモンであるという理由で補充すべきではない.

エストロゲン製剤

著者: 太田博明

ページ範囲:P.377 - P.380

 性腺で産生されるステロイドホルモンを性ステロイドホルモンと総称する.エストロゲンはプロゲステロン,アンドロゲンとともにその主体をなす.これらの性ステロイドホルモンは1930年代に純化に成功し,化学構造が解明され,かつ同じ作用をもつ製剤が人工的に合成された.現在では女性疾患の治療において不可欠な製剤となっている.

リウマチ・膠原病治療薬

糖質ステロイド薬

著者: 六反田諒 ,   岸本暢将

ページ範囲:P.382 - P.385

 ステロイド薬には多様な薬剤があり,呼吸器疾患,皮膚科疾患など幅広く用いられているが,本稿では主にリウマチ膠原病領域で用いるステロイド薬について述べる.

低分子疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)

著者: 土師陽一郎 ,   岡田正人

ページ範囲:P.386 - P.390

サラゾスルファピリジン腸溶錠

同種剤形と薬剤

アザルフィジンEN®錠250mg/500mg(ファイザー),ソアレジン®錠250mg(大洋薬品工業),サフィルジンEN®錠500(シオノケミカル),アザスルファン®腸溶錠500mg(長生堂製薬)

*サラゾピリンなどCrohn病に使われるような腸溶錠でないものは関節リウマチの適応病名がない.

生物学的製剤

著者: 中西研輔 ,   金城光代

ページ範囲:P.392 - P.395

TNFα阻害薬

同種薬剤と投与経路

●抗TNFα抗体

インフリキシマブ(レミケード®):静注,アダリムマブ(ヒュミラ®):皮下注,ゴリムマブ(シンポニー®):皮下注

●抗TNFα受容体抗体

エタネルセプト(エンブレル®):皮下注

非ステロイド性抗炎症薬

著者: 野村篤史 ,   藤田芳郎

ページ範囲:P.396 - P.398

同種薬剤と剤形(頻用薬)

ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン®):錠剤60mg,ナプロキセン(ナイキサン®):錠剤100mg,ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン®):錠剤25mg・(ボルタレンSR®):徐放剤カプセル37.5mg,エトドラク(ハイペン®):錠剤100mg・200mg,メロキシカム(モービック®):錠剤5mg・10mg,セレコキシブ(セレコックス®):錠剤100mg・200mg

免疫抑制薬

著者: 横川直人

ページ範囲:P.399 - P.402

シクロホスファミド

同種薬剤と剤形

注射用エンドキサン®(塩野義):100mg/500mg,エンドキサン®錠(塩野義):50mg

感染症薬

ペニシリン系,βラクタマーゼ阻害薬合剤

著者: 高山義浩

ページ範囲:P.404 - P.406

 1929年にフレミングが発見したペニシリンは,真正細菌の細胞壁の合成を標的として特異的に阻害するβ-ラクタム系抗生物質である.ペニシリンGの実用化は感染症臨床を劇的に変えたが,黄色ブドウ球菌や腸内細菌など,臨床上重要な菌のペニシリンに対する耐性が進行しており,現在では経験的にペニシリンを選択することは難しくなっている.しかし,培養検査でペニシリン感受性であることが確認できた場合には,積極的に変更して使いたい薬剤である.感受性がある菌に対しては,ペニシリンはほかのβラクタム薬にひけをとらない臨床効果を発揮し,その狭域ゆえに腸内細菌叢を破壊しにくいなど,宿主に優しい薬剤として活用できる.

 ペニシリンに共通する注意点として,わが国の保険用量によらず十分な量を投与し,時間依存性の抗菌薬であるので,適切な投与間隔を守るべきことがある.

セフェム系第1~4世代,モノバクタム系

著者: 井口光孝

ページ範囲:P.407 - P.409

同種薬剤と剤形

●第1世代セフェム系抗菌薬

セファゾリン:注射薬,セファレキシン:経口薬

●第2世代セフェム系抗菌薬

セフメタゾール:注射薬,フロモキセフ:注射薬,セファクロル:経口薬

●第3世代セフェム系抗菌薬

セフォタキシム:注射薬,セフトリアキソン:注射薬,セフタジジム:注射薬,セフジトレンピボキシル:経口薬

●第4世代セフェム系抗菌薬

セフェピム:注射薬

●モノバクタム系抗菌薬

アズトレオナム:注射薬

カルバペネム系

著者: 上蓑義典 ,   細川直登

ページ範囲:P.410 - P.412

同種薬剤と剤形

オメガシン®(ビアペネム):注射剤,カルベニン®(パニペネム/ベタミプロン):注射剤,チエナム®(イミペネム水和物/シラスタチン):注射剤,フィニバックス®(ドリペネム水和物):注射剤,メロペン®(メロペネム三水和物):注射剤,オラペネム®(デビペネムピボキシル):散剤(注射剤は五十音順に記載)

アミノ配糖体系

著者: 大野博司

ページ範囲:P.414 - P.417

 アミノ配糖体は緑膿菌を含む好気性グラム陰性桿菌に活性があり,基本的に,①重症好気性グラム陰性桿菌感染症のエンピリック治療,②グラム陽性球菌心内膜炎への併用治療(ゲンタマイシン),③緑膿菌感染症への併用治療の3つがアミノ配糖体の主な適応である.

テトラサイクリン系

著者: 上原由紀

ページ範囲:P.418 - P.420

同種薬剤と剤形

ミノマイシン®(ミノサイクリン):注射薬・錠剤・カプセル・顆粒,ビブラマイシン®(ドキシサイクリン):錠剤,アクロマイシン®(テトラサイクリン):カプセル,レダマイシン®(デメチルクロルテトラサイクリン):カプセル

マクロライド系

著者: 岩渕千太郎

ページ範囲:P.421 - P.424

 マクロライド系抗菌薬は臨床現場では,内服のしやすさ,抗菌スペクトルの広さなどから外来診療における内服抗菌薬として使用される機会が多い.

 市販されているマクロライド系薬剤は多数あるが,本稿では代表的な薬剤のエリスロマイシン,クラリスロマイシン,アジスロマイシンについて述べる.

リンコマイシン系

著者: 今泉貴広 ,   藤田芳郎

ページ範囲:P.425 - P.427

 リンコマイシン系薬には,リンコマイシンとクリンダマイシンがあるが,前者が使用されることはもはやほとんどないため,本稿ではクリンダマイシンについてのみ言及する.

多剤耐性菌治療薬

著者: 柳秀高

ページ範囲:P.428 - P.430

 表1に示す通り,グラム陰性桿菌の耐性化が進んでおり,抗菌薬の選択肢は限られている.本稿はポリミキシンとホスミシン®の使用について論ずる.

主として耐性グラム陽性菌に対する抗菌薬

著者: 根本隆章 ,   松田隆秀 ,   松永直久

ページ範囲:P.432 - P.437

 耐性グラム陽性菌の代表といえばMethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)であり,抗MRSA薬として主に用いられる抗菌薬について述べる.

ニューキノロン系

著者: 矢野晴美

ページ範囲:P.438 - P.441

 ニューキノロン系抗菌薬では世界的にエビデンスが多い下記の3剤の使い方を習得することをお薦めしたい.

抗真菌薬(ポリエン系・キャンディン系・トリアゾール系)

著者: 脇坂達郎

ページ範囲:P.442 - P.445

ポリエン系抗真菌薬

同種薬剤と剤形

ファンギゾン®(アムホテリシンBデオキシコール酸):静注・シロップ,アムビゾーム®(リポゾーマルアムホテリシンB):静注

皮膚真菌症治療薬

著者: 石崎純子 ,   田中勝

ページ範囲:P.446 - P.449

 皮膚真菌症治療薬について内服薬と外用薬に分けて述べる.皮膚真菌症の治療にあたっては直接鏡検による診断が前提である.

インフルエンザ治療薬

著者: 齋藤昭彦

ページ範囲:P.450 - P.452

 抗インフルエンザ薬の中心は,ノイラミニダーゼ阻害薬であり,過去に使われていたM2蛋白阻害薬であるシンメトレル®(アマンタジン)は,その高い耐性率から,実際の医療現場では,ほとんど使用されていない.したがって,本稿では,国内で使用可能な4つのノイラミニダーゼ阻害薬(表1)について述べることとする.

ヘルペスウイルス治療薬

著者: 有馬丈洋 ,   本郷偉元

ページ範囲:P.454 - P.458

 ヒトが感染するヘルペスウイルス科には,単純ヘルペスウイルス(HSV)1型と2型,水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV),EBウイルス(EBV),サイトメガロウイルス(CMV),ヒトヘルペスウイルス(HHV)6型,7型,8型の8種類がある.そのなかで,HSV1型と2型,VZV,CMVは抗ウイルス薬による治療対象となることがあり,病態によって使用法が異なる.以下,HSV,VZVに対する薬剤,CMVに対する薬剤に分けて述べる.ほとんどの抗ウイルス薬はウイルスの核酸合成を標的としており,グアニンの合成類似体とDNAポリメラーゼ阻害薬の大きく2つに分けられる.これらはウイルス複製の単一のステップに作用しており,耐性を生じる可能性がある.耐性が起こりやすい状況として,長期にわたる治療が挙げられる1).そのため,適切な治療を行うことが,耐性化の抑制にもつながると考えられる.表1には各種薬剤とウイルスの対応表を示す2)

カリニ肺炎治療薬

著者: 谷口俊文

ページ範囲:P.460 - P.463

 Pneumocystis cariniiは原虫であると考えられていたが,真菌に属することがわかりPneumocystis jiroveciiと名前が変更された.カリニ肺炎という言葉はいまだ使用されているが,ニューモシスティス肺炎とすべきであろう.ニューモシスティス肺炎はHIV感染に伴いエイズ発症を定義づける日和見感染症の1つであるが,移植患者や膠原病の患者など,高用量のステロイド,免疫抑制薬を使用している患者にも発症する.本稿ではニューモシスティス肺炎の治療薬について述べる.

抗HIV薬

著者: 横幕能行

ページ範囲:P.464 - P.467

同種薬剤と剤形

2012年6月末現在,本邦で承認されている抗HIV薬は5クラス25種類ある.承認されている薬剤はすべて錠剤,カプセルもしくは液状の内服薬である.

本邦未承認注射製剤としては,レトロビル®(ジドブジン)とFuzeon(enfuvirtide,T-20)がある.レトロビル®注射薬はHIV感染妊婦の出産時に経静脈的に使用する.Fuzeonは薬剤耐性HIV感染症に対するsalvage療法時に皮下注射で使用する.上記製剤のほかに,HIV感染小児に使用する液状製剤などがある.上記薬剤については,厚生労働省エイズ治療薬研究班(主任研究者:東京医科大学臨床検査医学講座 福武勝幸教授)から入手可能である.

抗マラリア薬

著者: 味澤篤

ページ範囲:P.468 - P.469

メファキン®(メフロキン):錠剤
作用機序

 マラリア原虫は,ヒト赤血球中のヘモグロビンを取り込み,食胞で分解し,アミノ酸の供給源として利用する.このとき遊離するヘムは原虫にきわめて有害であるため,これを重合させヘモゾイン(マラリアピグメント)として無毒化する.

 メファキン®は,キニーネのキノリン構造をもとに作られた抗マラリア薬で,食胞の機能阻害やヘムの重合阻害作用を生じ,抗マラリア作用を発現するものと考えられている.

ワクチン・トキソイド

著者: 菅沼明彦

ページ範囲:P.470 - P.473

 本稿では,内科で多用されるワクチンとして,インフルエンザワクチン,肺炎球菌ワクチン,B型肝炎ワクチン,破傷風トキソイドを取り上げた.

精神神経疾患治療薬

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI),ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)

著者: 本田明

ページ範囲:P.476 - P.477

同種薬剤と剤形

●SNRI

ミルナシプラン(トレドミン®):12.5mg錠・15mg錠・25mg錠・50mg錠,デュロキセチン(サインバルタ®):20mgカプセル・30mgカプセル

●NaSSA

ミルタザピン(リフレックス®,レメロン®):15mg錠

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

著者: 本田明

ページ範囲:P.478 - P.480

同種薬剤と剤形

フルボキサミン(ルボックス®,デプロメール®):25mg錠・50mg錠・75mg錠,パロキセチン(パキシル®):5mg錠・10mg錠・20mg錠・CR錠12.5mg・CR錠25mg,セルトラリン(ジェイゾロフト®):25mg錠・50mg錠,エスシタロプラム(レクサプロ®):10mg錠

三環系・四環系抗うつ薬

著者: 本田明

ページ範囲:P.481 - P.483

同種薬剤と剤形

●三環系抗うつ薬

イミプラミン(トフラニール®,イミドール®):10mg錠・25mg錠,クロミプラミン(アナフラニール®):10mg錠・25mg錠・点滴静注25mg/2ml/A,アミトリプチリン(トリプタノール®):10mg錠・25mg錠,アモキサピン(アモキサン®):10mgカプセル・25mgカプセル・50mgカプセル・10%細粒(100mg/g),ドスレピン(プロチアデン®):25mg錠

●四環系抗うつ薬

マプロチリン(ルジオミール®):10mg錠・25mg錠・50mg錠,ミアンセリン(テトラミド®):10mg錠・30mg錠

新世代(非定型)抗精神病薬(セロトニン・ドパミン拮抗薬,クロザピン類似体,ドパミン部分アゴニスト)

著者: 本田明

ページ範囲:P.484 - P.486

同種薬剤と剤形

●セロトニン・ドパミン拮抗薬

リスペリドン(リスパダール®):1mg・2mg・3mg錠,0.5mg・1mg・2mg OD錠,1%細粒10mg/g,0.1%内用液1mg/ml(30ml・40ml瓶,0.5ml・1ml・2ml・3ml包)

ペロスピロン(ルーラン®):4mg錠・8mg錠・12mg錠

ブロナンセリン(ロナセン®):2mg錠・4mg錠・8mg錠・2%散20mg/g

●クロザピン類似体

オランザピン(ジプレキサ®):2.5mg・5mg・10mg錠,5mg・10mgザイディス錠,1%細粒10mg/g

クエチアピン(セロクエル®):25mg錠・100mg錠・200mg錠・50%細粒500mg/g

●ドパミン部分アゴニスト

アリピプラゾール(エビリファイ®):3mg錠・6mg錠・12mg錠,1%散10mg/g,内用液1mg/ml(3・6・12ml/包)

抗不安・催眠薬

著者: 本田明

ページ範囲:P.487 - P.488

同種薬剤と剤形

●抗不安薬(作用時間の分類は文献1による)

・短期作用型(6時間以内)

クロチアゼパム(リーゼ®):5mg錠・10mg錠・10%顆粒,エチゾラム(デパス®):0.5mg錠・1mg錠・1%細粒

・中期作用型(24時間以内)

ロラゼパム(ワイパックス®):0.5mg錠・1mg錠,アルプラゾラム(コンスタン®,ソラナックス®):0.4mg錠・0.8mg錠,プロマゼパム(レキソタン®):1mg錠・2mg錠・5mg錠・1%細粒

・長期作用型(24時間以上)

ジアゼパム(セルシン®,ホリゾン®):2mg錠・5mg錠・10mg錠・1%散,0.1%シロップ・5mg/1ml/A注・10mg/2ml/A,クロキサゾラム(セパゾン®):1mg錠・2mg錠・1%散

鎮痛薬

非ピリン系解熱鎮痛薬

著者: 金城永治 ,   森本剛

ページ範囲:P.490 - P.492

 現在臨床使用されている非ピリン系解熱鎮痛薬といえば,アニリン系のアセトアミノフェン(APAP)とほぼ同義である.小児ではReye症候群やインフルエンザ脳症のリスクを増加させない唯一の解熱鎮痛剤であり,胃粘膜障害や出血傾向がほとんどなく,成人で合併症のある場合でも用量を守る限り第一選択として安全に使用しうる薬剤である.妊娠・授乳中も使用可である.

非麻薬性鎮痛薬

著者: 阿部展子 ,   岩崎寛

ページ範囲:P.493 - P.496

 非麻薬性鎮痛薬には,主にκ受容体部分作動薬として鎮痛作用を発揮するペンタゾシン,エプタゾシン,μ受容体部分作動薬であるブプレノルフィン,中等度のμ受容体作動薬作用をもつトラマドールなどがある.これらの薬剤の多くは複数の受容体に部分作動薬として働く.モルヒネやフェンタニルなどの完全作動薬が用量増加とともに作用も増加するのに対し,これらの部分作動薬はオピオイド受容体に結合しても最大効果は発現せず,ある程度以上用量を増やしても一定以上の効果が得られなくなる(天井効果).このように,部分作動薬には鎮痛効果の増強に有効限界がみられるが,呼吸抑制作用にも天井効果があり,用量増加に伴う呼吸抑制の増強が少ない.また,モルヒネなどの麻薬と比べて精神依存も軽度なため,麻薬指定を受けていない.しかし,ほかの呼吸抑制作用をもつ薬剤と併用した場合に呼吸停止を起こすことがあり,また,長期使用により身体依存もみられるため,使用の際は麻薬に準じた注意が必要である.

麻薬性鎮痛薬

著者: 山川真由美 ,   加藤佳子 ,   加藤滉

ページ範囲:P.497 - P.500

 日本で主に使われている麻薬性鎮痛薬は,コデイン,モルヒネ,オキシコドン,フェンタニルである.がん性疼痛の治療では,同じ成分の徐放性製剤(鎮痛維持)と速放性製剤(痛み増強時のレスキュー)を組み合わせて使用する.非がん性慢性疼痛に使用する場合は,保険適応に注意が必要である(Column,表1).コデインとオキシコドンの使い方はモルヒネに準じるので,本稿では主に,モルヒネとフェンタニルのがん性疼痛に対する使い方を述べる.用量の換算については,オピオイドローテーション換算の目安(表1,2)を参考にされたい.

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薬剤一般名索引

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薬剤商品名索引

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