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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻11号

2012年11月発行

文献概要

特集 いま,内科薬はこう使う 循環器薬

直接的レニン阻害薬

著者: 市原淳弘1

所属機関: 1東京女子医科大学高血圧・内分泌内科

ページ範囲:P.44 - P.46

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 レニンは,レニン-アンジオテンシン系の最上流に位置し系全体を調節する酵素である.340のアミノ酸で構成される糖蛋白であり,ペプシン,カテプシンD,キモシンなどが属するアスパラギン酸プロテアーゼ類に属す.すべてのアスパラギン酸プロテアーゼは図1で示すようにL字型蛋白が左右対称に向かい合い,その間に長く深い溝(cleft)を有する立体構造を有する.cleftの底部に2つのアスパラギン酸残基が存在し,それが蛋白分解酵素として作用してアンジオテンシノーゲン(AGT)のN末端から10番目のロイシンと11番目のバリンのアミノ酸結合を切断し10個のアミノ酸であるアンジオテンシンⅠを産生する.このAGTからアンジオテンシンⅠを産生する現象を「レニン活性」と呼び,レニンはほかのアスパラギン酸プロテアーゼ類酵素に比べ10万倍強い「レニン活性」を有する.AGTがレニンのcleftに侵入するのを防ぐように43個のアミノ酸から構成されるプロセグメントがレニン骨格に付随したものがプロレニンであり,そのままでは「レニン活性」を有さない.しかし,プロレニンが組織に存在する(プロ)レニン受容体に結合すると,プロレニンに立体構造変化が起こり,プロセグメントはcleftから離れてAGTがcleft内に侵入可能となる.つまり,(プロ)レニン受容体結合プロレニンは「レニン活性」を発揮する.直接的レニン阻害薬は,「レニン活性」を阻害することによって血圧を下げる降圧薬であり,ここではその使い方について述べる.

参考文献

1)Gradman AH, et al:Aliskiren, a novel orally effective renin inhibitor, provides dose-dependent antihypertensive efficacy and placebo-like tolerability in hypertensive patients. Circulation 111:1012-1018, 2005
2)Vaidyanathan S, et al:Pharmacokinetics of the oral direct renin inhibitor aliskiren alone and in combination with irbesartan in renal impairment. Clin Pharmacokinet 46:661-675, 2007
3)Vaidyanathan S, et al:Pharmacokinetics, safety, and tolerability of the novel oral direct renin inhibitor aliskiren in elderly healthy subjects. J Clin Pharmacol 47:453-460, 2007
4)Parving H-H, et al:Baseline characteristics in the Aliskiren Trial in Type 2 Diabetes Using Cardio-Renal Endpoints(ALTITUDE). J Renin Angiotensin Aldosterone Syst, 2012:[Epub ahead of print]q

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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