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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻11号

2012年11月発行

文献概要

特集 いま,内科薬はこう使う 呼吸器薬

鎮咳薬

著者: 桂蓉子1 熱田了1 瀬山邦明1

所属機関: 1順天堂大学医学部呼吸器内科

ページ範囲:P.106 - P.107

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 咳嗽は気道内の痰や異物を気道から喀出するための生体防御反応である.気道内異物により気道の咳受容体が刺激され,この刺激が咳中枢に伝わり,咳嗽が発生する.咳中枢に作用する鎮咳薬を中枢性鎮咳薬,末梢の咳受容体に作用するものを末梢性鎮咳薬と分類する.しかし,末梢性鎮咳薬は二次的に咳受容体に作用する薬剤であり,狭義の鎮咳薬は中枢性鎮咳薬のみである1)

 咳嗽には,大きく分けて喀痰を伴う湿性咳嗽と喀痰を伴わない乾性咳嗽がある.一般に,湿性咳嗽は咳嗽の原因が気道内に過剰に分泌された喀痰を喀出する目的で出現するため,咳嗽そのものは治療対象とならないことが多く,喀痰のコントロールと原疾患の治療が主体となる.しかしながら,体力消耗や疼痛などにより患者のQOLが著しく低下する場合には,湿性咳嗽に対しても鎮咳薬の投与が考慮される.一方,乾性咳嗽は咳嗽そのものが治療対象となることが多く,中枢性および末梢性鎮咳薬が積極的に投与されることが多い2).鎮咳薬の一覧を表1に示す.

参考文献

1)日本呼吸器学会咳嗽に関するガイドライン作成委員会(編):咳嗽に関するガイドライン,日本呼吸器学会,2005
2)東田有智,村木正人:鎮咳薬.貫和敏博,他(編);呼吸器疾患最新の治療2010-2012, 2010
3)久保千春:心因性咳嗽.綜合臨58:2101-2103, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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