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特集 いま,内科薬はこう使う 消化器薬
酸中和薬
著者: 神谷武1 城卓志1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学
ページ範囲:P.154 - P.156
文献購入ページに移動 酸中和薬は,胃または十二指腸内で攻撃因子である胃酸を中和することにより制酸作用を示す薬剤で,消化性潰瘍治療薬のうち攻撃因子抑制薬の一つに位置づけられる.攻撃因子抑制薬の主体はプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI),H2受容体拮抗薬といった酸分泌抑制薬であるが,酸中和薬は局所性制酸剤で即効性があり,酸分泌抑制薬と併用し補助的に用いられる.消化管から吸収されにくく局所で作用するため,腹痛などの症状改善効果の出現が早く,また体液の酸-塩基平衡にほとんど影響を及ぼさないが,一般に作用時間が短い.
参考文献
1)浅香正博,他:胃潰瘍治療薬.胃潰瘍ガイドラインの適用と評価に関する研究班(編):EBMに基づく胃潰瘍診療ガイドライン,34-37,じほう,2005
2)田村和広:消化器系作動薬;酸中和薬.向後博司(編):医療情報薬理学,375-378,愛智出版,2007
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