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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻11号

2012年11月発行

文献概要

特集 いま,内科薬はこう使う 神経・筋疾患薬

中枢性筋弛緩薬

著者: 長谷川一子1

所属機関: 1国立病院機構相模原病院神経内科

ページ範囲:P.250 - P.253

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GABAについて1)

 中枢性筋弛緩薬は,脊髄,脳幹の各部位で単シナプスあるいは多シナプス反射を主としてγアミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)受容体を介して抑制する薬物に属する.GABAは1950年代に脳特有の物質として同定されていたが,Kravitzら2)により甲殻類において抑制性アミノ酸であることが示され,抑制効果はGABA濃度に依存することが明らかにされた.その後1973年にOtsuka3)により,GABAは神経伝達物質である基準を満たす物質であると同定された.

 GABAはグルタミン酸からグルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase:GAD)により生合成される.GADは大脳灰白質に広く分布し,GAD濃度とGABA含量と一致している.GADはピリドキサルリン酸を補酵素として必要としている.

参考文献

1)Cooper JR, et al:Amino acid transmitter, Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed, pp 105-150, Oxford Press, 2003
2)Kravitz EA, et al:Gamma-aminobutyric acid and other blocking compounds in Crustacea. Their relative concentration in separated motor and inhibitory axons. J Neurophysiol 26:739-751, 1963
3)Otsuka M:Gamma-aminobutyric acid and some other transmitter candidates in the nervous system, Acheson GH, Bloom FE(ed):Pharmacology and the Future of Man:procededings of the Fifth international congress on Pharmacology vol 4. S Karger Basel, pp 186-201, 1973

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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