文献詳細
文献概要
特集 いま,内科薬はこう使う 感染症薬
ペニシリン系,βラクタマーゼ阻害薬合剤
著者: 高山義浩1
所属機関: 1沖縄県立中部病院感染症内科
ページ範囲:P.404 - P.406
文献購入ページに移動 1929年にフレミングが発見したペニシリンは,真正細菌の細胞壁の合成を標的として特異的に阻害するβ-ラクタム系抗生物質である.ペニシリンGの実用化は感染症臨床を劇的に変えたが,黄色ブドウ球菌や腸内細菌など,臨床上重要な菌のペニシリンに対する耐性が進行しており,現在では経験的にペニシリンを選択することは難しくなっている.しかし,培養検査でペニシリン感受性であることが確認できた場合には,積極的に変更して使いたい薬剤である.感受性がある菌に対しては,ペニシリンはほかのβラクタム薬にひけをとらない臨床効果を発揮し,その狭域ゆえに腸内細菌叢を破壊しにくいなど,宿主に優しい薬剤として活用できる.
ペニシリンに共通する注意点として,わが国の保険用量によらず十分な量を投与し,時間依存性の抗菌薬であるので,適切な投与間隔を守るべきことがある.
ペニシリンに共通する注意点として,わが国の保険用量によらず十分な量を投与し,時間依存性の抗菌薬であるので,適切な投与間隔を守るべきことがある.
掲載誌情報