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特集 いま,内科薬はこう使う 鎮痛薬
非麻薬性鎮痛薬
著者: 阿部展子1 岩崎寛1
所属機関: 1旭川医科大学麻酔・蘇生学教室
ページ範囲:P.493 - P.496
文献購入ページに移動 非麻薬性鎮痛薬には,主にκ受容体部分作動薬として鎮痛作用を発揮するペンタゾシン,エプタゾシン,μ受容体部分作動薬であるブプレノルフィン,中等度のμ受容体作動薬作用をもつトラマドールなどがある.これらの薬剤の多くは複数の受容体に部分作動薬として働く.モルヒネやフェンタニルなどの完全作動薬が用量増加とともに作用も増加するのに対し,これらの部分作動薬はオピオイド受容体に結合しても最大効果は発現せず,ある程度以上用量を増やしても一定以上の効果が得られなくなる(天井効果).このように,部分作動薬には鎮痛効果の増強に有効限界がみられるが,呼吸抑制作用にも天井効果があり,用量増加に伴う呼吸抑制の増強が少ない.また,モルヒネなどの麻薬と比べて精神依存も軽度なため,麻薬指定を受けていない.しかし,ほかの呼吸抑制作用をもつ薬剤と併用した場合に呼吸停止を起こすことがあり,また,長期使用により身体依存もみられるため,使用の際は麻薬に準じた注意が必要である.
参考文献
1)高崎眞弓,他(編):麻酔科診療プラクティス9.周術期治療薬ガイド,文光堂,2003
2)浦部晶夫,他(編):今日の治療薬(2012年版),南江堂,2012
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