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今月の主題 連携して診る腎疾患―タイムリーな紹介から患者マネジメントまで 腎機能を悪化させないために行うべき治療とは
カルシウムとリンはどうコントロールするか?―CKD-MBDの概念とCKDの進行抑制における注意点
著者: 角田隆俊1
所属機関: 1東海大学医学部腎内分泌代謝内科
ページ範囲:P.1926 - P.1930
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★CKD-MBDという病態は,①Ca,P,PTHなどの検査値異常,②骨の異常,③血管石灰化の3つの異常の組み合わせによって構成される.
★腎機能低下に伴いP過剰状態となるが,CKDステージ4に至るまで高P血症は出現せず,血清P濃度は正常範囲で経過することが多い.
★FGF23は軽度から中等度のCKDにおいては,P蓄積の代償機構として分泌が上昇する一方,これが早期からの1,25(OH)2D低下の原因となっている.
★一般に早期CKDにおいては,900mg/日のP制限食が推奨されている.しかし,単純な蛋白制限を行うと栄養状態に影響を与える.
★RCTで選択的ビタミンD作動薬が糖尿病患者群において容量依存性にアルブミン尿の改善をもたらすことが報告されている.
★CKD-MBDという病態は,①Ca,P,PTHなどの検査値異常,②骨の異常,③血管石灰化の3つの異常の組み合わせによって構成される.
★腎機能低下に伴いP過剰状態となるが,CKDステージ4に至るまで高P血症は出現せず,血清P濃度は正常範囲で経過することが多い.
★FGF23は軽度から中等度のCKDにおいては,P蓄積の代償機構として分泌が上昇する一方,これが早期からの1,25(OH)2D低下の原因となっている.
★一般に早期CKDにおいては,900mg/日のP制限食が推奨されている.しかし,単純な蛋白制限を行うと栄養状態に影響を与える.
★RCTで選択的ビタミンD作動薬が糖尿病患者群において容量依存性にアルブミン尿の改善をもたらすことが報告されている.
参考文献
1)日本腎臓学会(編):CKD診療ガイド2012,東京医学社,2012
2)日本透析医学会ワーキンググループ:慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン.透析会誌45:301-356, 2012
3)Block GA, et al:Mineral metabolism, mortality, and morbidity in maintenance hemodialysis. J Am Soc Nephrol 15:2208-2218, 2004
4)KDIGO clinical practice guideline for the diagnosis, evaluation, prevention, and treatment of chronic kidney disease-mineral and bone disorder(CKD-MBD). Kidney Int 76(Suppl 113):S1-S130, 2009
5)Shanahan CM, et al:High expression of genes for calcification-regulating proteins in human atherosclerotic plaques. J Clin Invest 93:2393-2402, 1994
6)de Zeeuw D, et al:Selective vitamin D receptor activation with paricalcitol for reduction of albuminuria in patients with type 2 diabetes(VITAL study);A randomised controlled trial. Lancet 376:1543-1551, 2010
7)Thadhani R, et al:Vitamin D therapy and cardiac structure and function in patients with chronic kidney disease;The PRIMO randomized controlled trial. JAMA 307:674-684, 2012
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