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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻13号

2012年12月発行

連載 医事法の扉 内科編・24

判例上の義務(2)

著者: 福永篤志1 松川英彦2 稲葉一人3

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会 立川病院脳神経外科 2国家公務員共済組合連合会 立川病院内科 3中京大学法科大学院

ページ範囲:P.2198 - P.2199

文献概要

 今回も引き続き「判例上の義務」について検討します.前回は,チーム医療の説明義務と死因説明義務について,それぞれ考察しました.今回も,説明義務に関連して,家族への説明義務についてまずは検討したいと思います.

 説明義務(民法645条,医療法1条の4第2項など)は,その条文を読む限り,医療従事者に対し,原則として患者本人への説明義務を課したものと解されます.一方,療養指導義務(医師法23条)は,「本人又はその保護者」への療養指導を義務付けています.これは,日常生活における疾病管理について,その疾病の治療・再発予防を徹底させるためには,病者だけに任せると不十分な場合があるので,そのような場合には周囲の家族などの保護者にも協力してもらう必要があるという配慮に基づくものだと考えられます.特に,小児や高齢者の場合には,保護者の協力が不可欠です.そうすると,療養指導の際には病状に関する説明も必要ですから,結局,患者本人だけでなくその保護者に対しても説明義務が発生するようにも思えます.

参考文献

1)福永篤志,河瀬 斌:コラム医事法の扉 第47回「一般条項」.No Shinkei Geka 38:303, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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