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今月の主題 下痢と便秘―今日的アプローチ
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著者: 三浦総一郎1
所属機関: 1防衛医科大学校内科
ページ範囲:P.193 - P.193
文献購入ページに移動20世紀後半に胃や大腸の内視鏡的形態学が急激な発展を遂げたこともあり,消化管運動や消化吸収などの消化管機能に関する学問の進歩が一時停滞しているような状況でありました.しかし,特に近年ダブルバルーン小腸内視鏡,カプセル内視鏡などの新しい診断モダリティが出現したことにより,今まで暗黒の大陸といわれていた小腸にも十分目が届くようになったことから,小腸疾患への関心や知識も今までになく拡がっております.また,Rome委員会のもとで機能性消化管疾患の定義と系統付けがなされ,過敏性腸症候群ばかりでなく,機能性の便秘や下痢についても体系づけられ,多くの研究が行われるようになってきました.それに呼応するかのように機能性の下痢や便秘疾患に対して作用機序の異なった種々の新しい薬物が今までになく盛んに開発されている状況です.さらに,わが国での高齢者人口の増大を背景に高齢者に対する特別な配慮の必要性,あるいは女性特有のライフサイクルを考慮した性差医療など新しい側面がクローズアップされ,それに関連した便通異常にも重点を置く必要性がさらに増しております.
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