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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻2号

2012年02月発行

文献概要

今月の主題 下痢と便秘―今日的アプローチ 病態生理―どうして起こるのか?

便秘の病態メカニズム

著者: 松下光伸1 深田憲将1 岡崎和一1

所属機関: 1関西医科大学内科学第三講座

ページ範囲:P.199 - P.202

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ポイント

★便秘とは,糞便の腸管内の異常な停滞あるいは腸管内通過時間の異常な延長であり,便通の回数と排便量の減少した状態である.

★便秘は慢性に発症し,女性は男性の2倍頻度が高く,さらに加齢とともに頻度が増加する.

★大腸の蠕動運動,胃結腸反射,骨盤神経から肛門脊髄中枢を介した排便反射,延髄・視床下部を経た上位中枢のいずれかに障害が生じると便秘をきたす.

★発生機序からみた便秘の分類では,①特発性,②神経性,③機械性閉塞,④内分泌疾患,⑤筋異常性疾患,⑥代謝性疾患,⑦薬剤性がある.

★大腸疾患からみた便秘の分類では,腸管狭窄の有無から,①器質性便秘と②機能性便秘に分類され,便秘発症後の経過によって急性便秘と慢性便秘に分類される.

参考文献

1)辻川知之,藤山佳秀:腸の機能とその異常(下痢・便秘).井廻道夫,日比紀文(編):図解消化器内科学テキスト,pp 44-48,中外医学社,2006
2)河南智晴:便秘.井村裕夫(編):わかりやすい内科学,第3版,pp 1241-1246,文光堂,2008
3)年名 謙,平田一郎:便秘.戸田剛太郎・他(編):消化器疾患の最新の治療2005-2006,pp 87-91,南江堂,2005
4)松本誉之,荒川哲男:便通異常.日本消化器病学会「消化器病診療」編集委員会(編):消化器病診療,pp 12-15,医学書院,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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