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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻3号

2012年03月発行

文献概要

今月の主題 内科医のための気管支喘息とCOPD診療 気管支喘息,COPDの新たな認識

COPD,喘息の診断と検査のポイントは

著者: 塩谷隆信1 佐竹將宏1 佐藤一洋2 佐野正明2

所属機関: 1秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻理学療法学講座 2秋田大学大学院医学系研究科呼吸器内科学講座

ページ範囲:P.376 - P.379

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ポイント

★アトピー素因があり,小児期や若年期に発症し,夜間の発作性喘鳴を伴い,寛解と増悪を繰り返す呼吸困難を主症状とした症例は,気管支喘息である可能性が高い.

★65歳以降の高齢者で重喫煙歴があり,ゆっくりと発症し,労作時呼吸困難を主訴とする症例はCOPDである可能性が高い.

★治療的診断として,吸入ステロイド薬の吸入効果が大きいのは気管支喘息であり,長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の効果が大きいのはCOPDである.

★気管支喘息とCOPDの合併症例も多いので,吸入ステロイド薬およびLAMAは,臨床的に両疾患に有用である可能性がある.

参考文献

1)塩谷隆信,他:咳喘息の治療法とは? Q&Aでわかるアレルギー疾患3:512-515, 2007
2)塩谷隆信,他:COPDの治療・管理update. 非薬物療法.日本胸部臨床70(増):S75-S89, 2011
3)「喘息予防・管理ガイドライン2009」作成委員(編):喘息予防・管理ガイドライン2009.日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会,協和企画,2009
4)日本呼吸器学会COPDガイドライン第3版作成委員会(編):COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第3版,メディカルレビュー社,2009
5)Barnes PJ:Mechanisms in COPD compared with asthma. Breathe 5:134-144, 20082
6)Tashkin DP, et al:Bronchodilator responsiveness in patients with COPD. Eur Respir J 31:742-750, 2008
7)金澤 実,中込一之:気管支喘息.COPDとの異同.日内会誌98:3033-3040, 2009
8)Stephen PP, et al:Tiotropium bromide set-up therapy for adults with uncontrolled asthma. N Engl J Med 363:1715-1726, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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