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今月の主題 神経内科エマージェンシー―日常臨床でどこまで対応できるか どのような治療を行うか―実践的アプローチ
腫瘍による脊髄圧迫性病変
著者: 金子慎二郎1 塩田匡宣1 臼井宏1 中村雅也2 戸山芳昭2 松本守雄2
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構村山医療センター整形外科 2慶應義塾大学医学部整形外科
ページ範囲:P.680 - P.683
文献購入ページに移動★脊椎腫瘍は転移性腫瘍と原発性腫瘍とに分類され,転移性腫瘍は原発性腫瘍に比してはるかに頻度が高い.
★脊椎内の腫瘍の発生部位は,良性か悪性かを見きわめるうえで参考になりうる.悪性腫瘍の大部分は椎体や椎弓根を含む前方要素に発生し,後方要素のみに限局した腫瘍は良性病変であることが多い.
★腫瘍性椎体病変のうち悪性腫瘍では,単純X線正面像で椎弓根の周囲が菲薄化することによって椎弓根輪が消失したように見える所見を呈することが多い.
★原発不明の転移性脊椎腫瘍に対する全身精査後に判明する原発巣としては肺癌が最も多く,次いで骨髄腫,前立腺癌,悪性リンパ腫などが多い.
★脊椎悪性腫瘍のうち,脊髄に対する静的・動的圧迫や脊柱不安定性を有する病態に対して,除圧やインプラントを用いた脊椎固定術を行うことで脊髄症状の改善や進行の予防が見込め,ADL拡大などの利点が大きいと判断された場合には手術が行われる.
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