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書評
―本田 明 著―かかりつけ医のための―精神症状対応ハンドブック
著者: 松村真司1
所属機関: 1松村医院
ページ範囲:P.621 - P.621
文献購入ページに移動 うつ病を代表とする精神疾患患者は,専門医の前にかかりつけ医を受診し,そしてその多くが適切に対処されていないという事実はこれまで何度も指摘されている.また,超高齢社会を迎えたわが国では,認知症を持つ患者への対応は,今や専門にかかわらずほとんどすべての医師が獲得すべき診療能力となった.認知症を持つ高齢者には慢性疾患が併存していることが多く,認知症への対応がなくては身体疾患の管理も困難になるからである.
しかし,適切な初期対応をしつつ必要時に専門医へ紹介することは,専門医が考えるほどたやすいことではない.多くの疾患や症候の初期段階に対応することの多い私のような地域の医師の場合は特にそうである.さまざまな健康上の問題に対応する中で,精神症状に対応し,かつ患者の周囲にいる家族に対応していくことはとても難しいことである.多くの医師はそのような状況の中,手探りで精一杯対応しているのが現状であろう.一方で,精神科専門医にしてみれば,もう少しかかりつけ医がきちんと対応してくれれば,と思うことが頻繁にあることも想像に難くない.
しかし,適切な初期対応をしつつ必要時に専門医へ紹介することは,専門医が考えるほどたやすいことではない.多くの疾患や症候の初期段階に対応することの多い私のような地域の医師の場合は特にそうである.さまざまな健康上の問題に対応する中で,精神症状に対応し,かつ患者の周囲にいる家族に対応していくことはとても難しいことである.多くの医師はそのような状況の中,手探りで精一杯対応しているのが現状であろう.一方で,精神科専門医にしてみれば,もう少しかかりつけ医がきちんと対応してくれれば,と思うことが頻繁にあることも想像に難くない.
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