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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻5号

2012年05月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病治療薬2012―皆が知りたい新しい治療A to Z 変化する抗糖尿病薬内服治療

DPP-4阻害薬による膵ラ氏島制御

著者: 山田祐一郎1

所属機関: 1秋田大学大学院医学系研究科内分泌・代謝・老年内科学

ページ範囲:P.770 - P.772

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ポイント

★DPP 4阻害薬の投与により,GLP-1ならびにGIPのシグナルが活性化される.

★GLP-1やGIPは,いずれも膵β細胞に作用し,血糖値に依存してインスリン分泌促進を増幅するため,低血糖をきたしにくく,食後の高血糖を抑制する.

★SU薬投与時には,インクレチン薬を投与すると,低血糖でもインスリン分泌促進で低血糖をきたす可能性がある.

★GIPは膵α細胞に直接作用しグルカゴン分泌を促進するが,GLP-1は膵βやδ細胞からのインスリンやソマトスタチン分泌促進を介してグルカゴン分泌を抑制する.

参考文献

1)Hansotia T, et al:Double incretin receptor knockout(DIRKO)mice reveal an essential role for the enteroinsular axis in transducing the glucoregulatory actions of DPP-Ⅳ inhibitors. Diabetes 53:1326-1335, 2004
2)インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の適正使用に関する委員会:インクレチンとSU薬の適正使用についてのrecommendation.
3)de Heer J, et al:Glucagon-like peptide-1, but not glucose-dependent insulinotropic peptide, inhibits glucagon secretion via somatostatin(receptor subtype 2)in the perfused rat pancreas. Diabetologia 51:2263-2270, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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