文献詳細
今月の主題 新規経口抗凝固薬の光と影
新規経口抗凝固薬の臨床試験とエビデンス
文献概要
ポイント
★経口トロンビン阻害薬のダビガトランは他の薬剤や食品との相互作用が少なく効果をモニターする必要はないが,心房細動の血栓塞栓症予防には1日2回の服用が必要である.
★ダビガトランで脳出血はワルファリンよりも少なく,消化管出血は多かった.血栓塞栓症予防と出血リスクを差し引いたアウトカムは,ダビガトラン150mg群でワルファリン群と比較して有効であった.ダビガトラン群のワルファリンに対する優位性はPT-INRコントロール不良例で大きい.
★高齢者では頭蓋内出血リスクの低下と頭蓋外出血リスクの上昇が相殺される可能性がある.ダビガトランは腎障害のある高齢者には推奨できない.
★経口トロンビン阻害薬のダビガトランは他の薬剤や食品との相互作用が少なく効果をモニターする必要はないが,心房細動の血栓塞栓症予防には1日2回の服用が必要である.
★ダビガトランで脳出血はワルファリンよりも少なく,消化管出血は多かった.血栓塞栓症予防と出血リスクを差し引いたアウトカムは,ダビガトラン150mg群でワルファリン群と比較して有効であった.ダビガトラン群のワルファリンに対する優位性はPT-INRコントロール不良例で大きい.
★高齢者では頭蓋内出血リスクの低下と頭蓋外出血リスクの上昇が相殺される可能性がある.ダビガトランは腎障害のある高齢者には推奨できない.
参考文献
1)小川 聡,他:心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版).Circ J 72(suppl. Ⅳ):1581-1638, 2008
2)Connolly SJ, et al. for the RE-LY steering committee and investigators:Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med 361:1139-1151, 2009
3)Hori M, et al. for the RE-LY investigators:Efficacy and safety of dabigatran vs. warfarin in patients with atrial fibrillation;Sub-analysis in Japanese population in RE-LY trial. Circ J 75:800-805, 2011
4)Shah SV, et al:Cost-effectiveness of dabigatran for stroke prophylaxis in atrial fibrillation. Circulation 123:2562-2570, 2011
5)Eikelboom JW, et al:Risk of bleeding with 2 doses of dabigatran compared with warfarin in older and younger patients with atrial fibrillation;An analysis of the randomized evaluation of long-term anticoagulant therapy(RE-LY)trial. Circulation 123:2363-2372, 2011
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